11日目 エジプト考古学博物館、そしてアスワンへ行き、ルクソール行きの電車のチケットを頑張って取る
この日は予備日として設定していて、夫が移動で疲れていたら到着当日は休みに使い、この日にピラミッドを周る予定だった。しかし先述のとおり元気いっぱいだったため、ちょっと余った形。
メナハウスホテルで朝食をとる。ビュッフェ形式で、グアバジュースが置いてあってうれしくまたもガブガブ飲む。ここでお腹をいっぱいにしておき、移動中の食事を省略する目算。
チェックアウトは12時だが、夫がもう外に出たくてソワソワしていたため、10時頃チェックアウト。エジプト考古学博物館にUberで向かう。
現在ギザには大きなミュージアムが3つある。ひとつが4日目に行ったエジプト文明博物館で、22体のミイラが目玉。ふたつめがエジプト考古学博物館。そしてみっつめが現在大絶賛建築中(そして計画遅延中)の大エジプト博物館。エジプト考古学博物館から大エジプト博物館へと展示品を移送している最中のため、エジプト考古学博物館の展示物はかつての1/3ほどになっているらしい。
…という話を聞いていたので、けっこうさくさく見れちゃうかもね~と話していたのだが、全然充実していた。目玉はツタンカーメン関連の副葬品。黄金のマスクや棺、椅子などはたしかにおお~~っとなった。しかし建物全体で印象的だったのは、ほとんどの展示物がものすごくざっくりと置いてあること。触れるくらい近くに、ざっくらばんと……落ちているような感じ。また、展示品の解説も、ついているのはあるが同じくらいついてないのもある。
解説はGoogle翻訳(Googleレンズ)で都度見る。この辺になるとなんとなくファラオの名前やエジプトの神々の名前も頭に入ってきて楽しい。
ちょっと時間が中途半端になってしまった。もう一個寄ることもできそうだが、やや不安があるのでもうカイロ空港にUberで移動してしまうことに。空港への道は混んでいるので、時間に余裕を見たほうが心が落ち着く。
カイロ国際空港第3ターミナル(国内線)は、あまり充実していない。保安検査の外側にバーガーキング、内側に2つほどカフェがある。内側に何があるのか案内からはわからなかったのでバーガーキングを食べてお腹を満たす。お釣りがないよ!ちょっとまっててね!と言われ、ちょっと待ったが、一向にお釣りが出てこないので、もういいか~と諦めて保安検査に向かう。
カイロからアスワンへはエジプト航空。1時間ほどのフライトで、ほぼ満席だった。機上で読みかけの「ある行旅死亡人の物語」を読み切る。謎めいた身元不明の女性の正体を、若手記者が探っていくというノンフィクション。Web記事として出ていたのが話題になり書籍化された。謎が面白く、女性の身元が判明していく過程は捜査小説のような面白さがあり、中盤で面白さはピークに。しかし女性の身元以外の多くの謎めいた部分に関しては、謎のままで終わる。これがノンフィクションの難しいところだな。著者がもう少し年齢上の人をイメージして読んでいたので、最後の著者紹介で「同年代だ!?」とビビった。新聞文体の教育というのはそういうところがある。
アスワンに15分遅れくらいで到着。アスワンではカイロと違ってUberが使えない。代わりにカリームは使える。ちょうど日が沈んだ頃で、イフタールをしている人も多い時間。やはりカリームはほとんどのドライバーが動いておらず、空港前のタクシーを使うことにする。200EGPくらい払って30分ほど走ってもらいアスワンの市内にあるホテルへ。タクシーは200EGPぽっきりで追加でいろいろ言われなかったことにふたりで驚く。ピラミッドの感じに圧倒されていたので、「とれるやつからはガンガン取るわ!」みたいな雰囲気がないだけで驚いてしまう。
取ったのはシティマックスホテルアスワン。商業ビルと一体化しているホテルで、受付の感じもいい。翌日は朝4時からツアーを予定していたので、チェックアウト後に荷物を預かってもらうこと、朝食をボックスで出してもらう(翌日のツアーのお弁当とする)ことをお願いする。
ホテルに荷物を置いて街の散歩に。夫はこれまでメナハウスとピラミッド内というごく限られたエリアしかぶらついていなかったため、めちゃくちゃ楽しそうに道を歩く。アスワンのアーケード通りのようなところは一日の断食を終えて盛り上がっている人たちで賑わっている。
この夜の散歩の大きな目的のひとつが、アスワンからルクソール行きの列車のチケットを買うこと。ネットで事前に調べると情報が錯綜しており、ま~~行ってみねえとわかんねえな~~となっていた。もし取れなかったら車を頼む感じで。
アスワン駅のカウンターには人が集まっていて、何をどうしていいのかちょっとドギマギ。ドギマギしていたら、横にいたおじさん(一般市民)が「こっちだ!!」という感じで横の窓口に。どうやらそこが外国人専用のカウンターになっていたらしい(が、窓口が閉じていたのでわからなかった)。おじさんが窓口に話して窓口を開けてくれたようだ。し、親切…! おじさんはいつの間にか姿を消していたのでちゃんとお礼も言えなかった。ピラミッドエリアを経験したことで、人のストレートな優しさに大層感動するわれわれ。
アスワンからルクソールは、列車で3時間くらい。2022年12月末ごろに料金改定があったようで、外国人はEGPの支払いができなくなっていた。一等車でひとり20ドルとかそれくらい。そんなにドルを持ち合わせておらず、支払いは現金だけ、でもATMで外貨は引き落とせない…というので、どうしよう~となったが、夫が両替していたユーロでも支払いOKだよとなり、ユーロで同額を払った。めちゃくちゃ粘ればEGPでも買えるかもだが、外貨はある程度持ってたほうがいいですね。駅の掲示では運行している時間は一択しかなかったけど、手書きの時刻表がスッと出てきて、15時頃の指定席チケットを買うことができた。
チケットがゲットできるまでにカウンターの向こうで紆余曲折があったようで、15分くらいかかった。うしろのお兄さん(外国人)も苦笑い。もしギリギリに買おうとすると死ぬほど焦っていたと思うので、前日に買っていてよかった…。そしてカウンターの向こうでチケットが発券されたのが、もらったチケットはそれを書き写した手書きで、思わず「こっちがチケット(であってます?)??」と聞いた。こっちがチケットで合っていた。
帰り道、道のジューススタンドでジュースを頼む。これなんの味だ?となったけど、エジプトではメジャーなサトウキビのジュースらしい。万一翌日お腹を壊すと「おわり」になってしまうのでおそるおそる飲んだ。
翌朝は3時半起きなので、この日も早めにスヤァ。
夫の感想。
「エジプト考古学博物館でアヌビスがいっぱい見れてよかった。全てが雑に置いてあって、もうちょっと説明とかあったらよいだろうし、あるいはこっちが予習をしていればよかったんだけど、この時点でエジプトの歴史わかってなかったから、たぶんエジプトの史跡一通り行ったあとに見たほうが面白いかも…といま思い返して思う。ツタンカーメンはマスクもすごいけど棺がすごかったな! どっちも異様にキレイに残ってるから、いい意味で作り物っぽい。これが本物なのかあ~となった。アスワンでは列車のチケットを買うのが異様に難しくて、15分くらいかかったね…。どういう時間感覚で生きているのかな。そのわりに電車は定刻で出発するので不思議。市場の活気がよかった。あ、サトウキビジュースを買えたのはすごくよかった! お腹壊すのが怖くてあんまり飲めなかったけど、日本では絶対に飲めない味」
夫は「めっちゃ」の意味でよく「異様に」「異常に」を使う。オタク盛りがち現象のひとつ。