4日目 シタデル城塞のムハンマド・アリー・モスク、コプトの洞窟教会
朝の10時過ぎ頃から動き出す。最初の目的地はシタデル。
シタデルの入場料は2019年は60EGPだったそうだが、今はなんと値上がりに値上がりを重ねて200EGPになっている。そんなこんなでいまはさまざまなものの価格が2倍以上になっているので、地球の歩き方などの相場感でいるとびびるかも。日本の外食がとてつもなく安いのもあって外食の価格感は日本とそう大差ない感覚(もちろん現地の人向けの外食はもっと安いが、お腹を壊すリスクもある)。安いな〜と思うのはタクシー代だな。
シタデル観光はけっこう歩く。坂道をえっちらおっちら歩いていくと、モスクに入れる。2つモスクがあるのだが、より圧巻なのはムハンマド・アリー・モスクのほう。さすがに入った瞬間「すげ〜〜〜〜〜〜〜〜」と声が出た。イスラム教徒じゃなくても圧倒される美しさ。日本もこれくらいド派手な観光資源がほしい…と思ってしまったが、地震が多い国だからこれだけすごいものが建っても残る可能性が低い気もする。京都・奈良が残ってるのは奇跡だな…といいとこさがしモードへ。
なお、シタデルの敷地内には軍事博物館や警察博物館がある(追加料金なしかな?私は外のエリアにしか行かなかったけど、中のエリアがあるのかもわからない)。大砲や飛行機などがズラーッと並んでいる光景や、おそらく軍の歴史的な偉い人のデカ像がムハンマド・アリー・アスクのとともに見れる光景は、非常に政治的空気があった。エジプトはアラブの春が失敗して、軍事政権が続いている。軍事博物館の前の道は大理石でできているのだが、ずーっとモップを持った人が清掃を続けていて(続けているふりをしていて?)エジプトのふだんの光景とぜんぜん違う、ごみひとつ落ちていないのが印象的だった。
警察博物館には昔使われていた刑務所の牢屋が展示してある。前回サンフランシスコに行ったときもアルカトラズに行っていたので(めっちゃよかった)、刑務所コンボが続いた。
次の目的地は国立エジプト文明博物館。2021年にオープンしたばかりで新しい施設(入場料は240EGP)。
1階のエリアが古代エジプト文明・イスラム統治下の文化をぐるっと見てまわれるようになっている。エリアの右半分が古代エジプト文化、左半分がイスラム文化、その中央がクレオパトラ関連でヨーロッパ圏の文化の影響を説明しているエリアで、わかりやすく、あらためてエジプトという国の地理状況が理解できた感じ。
文明博物館の目玉は王家の谷から移送してきた22体のミイラ。マジで有名人勢揃いみたいな感じで、あの人のミイラもあの人のミイラもある〜!!!と興奮。甥はミイラが怖かったらしく、爆速で出ていってしまった。「みーちゃんはミイラに感動してたよ〜」と言ったら「みーちゃんの趣味がわからない!」とプリプリしていた。
文明博物館の横にはこのために作った人工の湖があり、水ってのは権威の象徴だわ〜と感じるところがあった。館内図には地下に土産物屋とかレストランとかあるよ!と書いてあるけど、まだまだ開発中(途中だけど書いとくというマインド)。車で移動しているとかなりでかい建築物が仕掛りのままド放置されているのをよく見てたりして、共通するマインドを感じる。
4日目最後の目的地はコプトの洞窟教会! イスラム教徒が大勢を占めるエジプトだが、キリスト教は伝来してきており、その信者(コプト)はイスラム教徒から強い迫害を受けている。モカッタムの一部エリアにはコプトの人たちが多く住んでいて、迫害の結果、多くの人々がやりたがらないごみ処理を担うようになった。彼らが住むエリアは収集してきたごみにあふれていて異臭もすごい。そういう街をタクシーで抜けていくと、洞窟教会にたどりつく。
入った瞬間「すげ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」と声が出た。天然の洞窟をさらに彫り、聖書の言葉や聖書のシーンを刻んでいる。洞窟教会はいまも現役で使われているそう(私達が行ったときはお祈りの時間ではなかったので人は少なかった)。
エジプト版隠れキリシタン的な、イスラム教徒がほとんどの中で迫害を受けているエジプトのキリスト教(コプト)の洞窟教会、めちゃくちゃよかった。圧倒されました pic.twitter.com/X6jdkLOLv5
— 青柳美帆子 (@ao8l22) 2023年3月26日
午前にイスラムの宗教施設、午後にキリスト教の宗教施設に行って、それぞれ「すげ〜〜」ってなってるのは、それぞれの宗教の敬虔な信者からするとわからんだろうな。ちなみに文明博物館の前で声をかけてきたタクシー運転手に450EGPで連れてきてもらった(観光中待っててもらう+家へと連れて戻るの含め。交渉時は400だったが、降りるときに駐車場代含めて450にして〜と言われた。なおこの辺の交渉はすべて姉がしてくれている。。。) Uberも使えるエリアなのだが、Uber運転手は道がわからないことも多いので、行く場合はタクシー運転手に交渉するのがいいそうですと姉談。姉、日本人向けのエジプトツアーガイドできるよ〜と言ったら「絶対やだ〜!!」とのこと。
4日めのごはんは、朝姉ご飯、昼文化博物館のサンドイッチ(ツナ)、夜姉ご飯…と姉さまさまのラインナップ。「ピラミッドのそばで日本人観光客向けの小料理屋をやれば?」と言ったらこれまた「絶対やだ〜!!!」とのこと。
帰りはひとりでUberに乗りマーディーへ。先述のとおりUberの運転手は道を知らないことが多く、GoogleMapに頼っている。その結果、リアルマリオカートみたいなエジプトの道路をめっちゃスマホを見ながら走るので、こちらとしてはかなりひやひや。
とはいえ無事に到着。外の通りではラマダン日没後の大騒ぎが2時過ぎまで続いており、断続的に目が覚めた。