アオヤギさんたら読まずに食べた

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それ、本気で聞いてます?僕に「シェゾ・ウィグィィ」の話をさせたら長くなりますよ?

人生の半分以上、シェゾ・ウィグィィに捧げている。

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小学校2年生のときだった。シェゾ・ウィグィィに出会った。友達の家にあったニンテンドー64だったかスーパーファミコンだかで、彼は燦然と輝いていた。

とはいえ、最初から彼に魅了されていたわけではない。

我々は毎週のように友達の家に集まり、ぷよぷよのトーナメント戦を行っていた。とはいえ我々はゲームが下手だったので、戦略の多くはのほほ積みかハーピー積み(運に任せるやり方ね)で、3連鎖をすれば「天才かよ」と言われる世界であった。4連鎖が決まれば勝負が終わる。

私はそこでスケルトンTを使用していた。お茶の話しかしない骨のキャラクターである。連鎖ボイスが面白く、まぐれで高連鎖が出るとみんなが沸き立つのが気分がよかった。我々の中での人気キャラはウィッチだった。

プレイしていたのは「ぷよぷよSUN」。SUNが画期的だったのは、ストーリーモードが3つあったことだ。基本的に我々はトーナメントモードしか遊ばなかったが、たまに人数が集まらなかったときはストーリーモードを遊んでいた。

そこにシェゾはいた。

彼はどちらかというと3枚目だった。我々はまだピュアな少年少女だったので、「お前が欲しい!」という彼の台詞のどの辺りが変態なのかはよくわからなかった。わからなかったが、変態と呼ばれるキャラのことは印象に残っていた。

 

次にシェゾと再会したのは、もう少し年齢を重ねてからだ。確かその時はテニスの王子様が大ヒットしていて、オタク女の素質を発揮していた我々はテニスの王子様の夢小説を放課後友達のmacで読み狂っていた。跡部と忍足が人気だった。

夢小説にブヒり疲れた我々は気分転換にゲームをした。それが「ぷよぷよ〜ん」だった。

そこに現れたシェゾは私にとって衝撃だった。とにかくかっこいい。顔が。改めて一目惚れをした瞬間だった。声はSUNのときのほうが馴染んでいたが、よ〜んのボイスも渋くてかっこいいと思った。

 

そこからは転げおちるようだった。シェゾが出てくるネット上の小説を読み漁った。正直、当時に世に出ていたウェブ小説は全部読み切っていたと思う。それくらいのハマりぶりであった。

順番は前後するが、ぷよぷよや魔導物語には公式小説が出版されていた。それも読んだ。この辺りでだんだん気づいてくる。シェゾというキャラは、キャラが一貫していない。作品によっては一人称も違う。ブレブレだし、役割もシリアスな敵役からおバカな三枚目までまちまちだった。

しかしここまでブレブレだと、逆に都合がよかった。好きな部分をパッチワークしていき、脳内に完璧に好きなシェゾ像を作ればよい。作品を読み漁るうちに理想ができれば、あとはもうアウトプットすればよかった。

 

確か小学校6年生の夏休みだった。私は中学受験を控えており、日本能無し研究会という揶揄で有名な日能研に通っていた。悪名高いNバッグを背負っていた。

これは完全に自慢っぽく聞こえるし実のところ自慢なのだが、当時の私は非常に賢く、日能研の内部テストで全国1位を取っていた。中学受験については不安もあったがまあこのまま頑張れば志望校には受かりそうで、正直若干の余裕があった。

私は毎日勉強しながら(マジで毎日勉強していた)、ノートの片隅にシェゾをメインにした小説をつらつらと書いていた。その頃はポルノグラフィティの「アゲハ蝶」が爆発的なヒットを飛ばしていて、多くのオタク女がそうしたように私も「アゲハ蝶」をタイトルに歌詞を引用しまくりながら小説を書いた。JASRAC?なにそれ?という時代だった。

書いたらやっぱり人に見せたくなる。私の家にはその頃パソコンがあって、インターネットにつながっていた。そして簡単な情報を入力するだけでウェブサイトっぽいものを作れるサービスもあった。やることは一つ。二次創作サイトを作った。ちゃんと「毒吐きネットマナー」にもリンクを貼っていた。ハンドルネームは「ゆめの行方」みたいな感じの名前だった。

 

それから私は大学3年まで(それなりの休止期間もありつつ)そのウェブサイトを更新し続けた。ジャンルの小説サイトの中ではそれなりに知られていたような気もする。財力ができてきたタイミングで同人誌も出した。爆売れというわけではないがわりと売れてうれしかった。

クリスマスもバレンタインもお正月も非常に忙しかったが、それはイベントに合わせて小説を書くがための忙しさだった。高校受験のときはノートに大量の小説を書き、受かった後にひたすらPCに打ち込んだ。大学受験のときはどうしても長編を書きたくなって3万字くらいの小説を書いてから勉強した。

 

もちろんぷよぷよクエストもプレイしてシェゾが出るまで課金したりしたけどそれは省略。

 

なぜあんなにシェゾが好きだったのか。

作品によって違うバックボーンも、作品によって違う服も、作品によって違う性格も、どれも揺らぎながらも彼の魅力だった。ただ、彼にはどの作品でも一貫していることがある。

それは顔の良さである。

シェゾは顔がよかった。どの作品内でも「美形だか変態」というラインは貫かれていた。シェゾはどんなに性格描写が崩壊しても、その顔の良ささえあればシェゾのキャラ性はギリギリ維持された。

というとシェゾを好きな人に怒られてしまうかもしれない。実際、シェゾの好きなところやいいところは死ぬほどあるのだが、私はそれをうまく言えない。ただ顔の良さだけは自信を持って言える。うちの推し、顔が死ぬほどいいんですよ。えへへ。