ダイエット途中経過報告。1カ月で3.7キロ減りました
ダイエットをしています。痩せようと思ったきっかけはいろいろありますが、大きいものの1つは後輩の結婚式での写真を見て「ギリギリ耐えるが、すでに限界値まで膨れ上がっている。このままでは耐えなくなるな」です。
そもそも修論の追い込みから一気に体重が増えまして、そこから体重がゆるふわのまま固定され、さらにここ3カ月で一気に2キロ追加し、人生最大値に……という危機的状況に。「絶対キレイになってやる><」の思いのもと、ダイエットを始めました。
基本的には食事制限(ゆる糖質制限)。に加えて、あすけん(ダイエット・栄養管理アプリ http://www.asken.jp/)を使っています。つまるところレコーディングダイエットですね。さらに食事の記録をサボらず続けるために、「ダイエットを応援するnote」(https://note.mu/ao8l22/m/me8f134a808c5)というのを始めました。
おかげさまでたくさんの方に応援してもらっておりまして、1か月アプリの記入を継続することができています。本当にありがてえ!
ひとまずの目標はマックスから7キロ減。あすけんに記入をはじめてから約1か月…ということで、途中経過報告をば。
あすけんに記入を始めてから1か月で、3.7キロ減りましたー!
緑の折れ線は体重、青の線は体脂肪率(体脂肪率はこの乱高下っぷりで分かるように、ちょっと体重計が信用できない語り手になっています…参考程度に記録し始めた)。
あすけん記録中のマックスとミニマムの差は3.7キロ。人生最大値からだと4.4キロ減です。
糖質制限はしているものの、かなりゆるめ(昼などは炭水化物を食べることもあるし、酒も断っていない)なのと、あと運動してないのはちょっと不健康すぎる痩せ方になるよね、ということで、FEELCYCLEも始めてみました。
↑FEELCYCLEイメージ図。実際はこのイケてるっぽい空気の中で「もう死ぬっす…」と思いながら必死で自転車をこいでいる。
週2~3回くらいを目指して行っていこうと思います。
3.7キロ減っても、なんというかぶわっと膨らんでいた風船の空気をやや抜いた感じなので、あんまり体型や見た目、疲れやすさ疲れにくさなどには響いている感じはしないのですが、目標の7キロ減までまだまだ頑張ります。絶対キレイになってやる><><
経産省若手ペーパーはなぜバズったのか?
「『経産省ペーパー』は何を見落としていたのか」というイベントに行ってきました。
経産省の若手が作った「不安な個人、立ちすくむ国家」のレポートに関するトークイベントで、登壇者はスマートニュース望月優大さん、社会学者の仁平典宏さん、ココナラ創業者の南章行さん。司会はプレジデントの星野貴彦さんです。
イベント自体は全体的にさまざまな視点からペーパーの問題点や欠けている部分についてふれるもので、だいぶまとめづらいので、印象に残ったところだけ感想を書いていきます。カギカッコ内は「なんとなくこういうことが話されていたなあ」という記憶なので、メモや音声起こしなどではありません。
〇人生すごろく
「この人生すごろく、右のほうは大手企業の正社員というごく限られた人間のモデルだからそこまで問題視はしていないけれど、左は大問題。右のようなモデルを支えるために女性たちがケア労働を担わされて、その負担を避けるために女性たちが結婚や出産から『降りている』現状が見て取れる。少子化の原因はどう見てもここ」
〇資料から透けて見える本音
経産省の若手ペーパーをめぐるイベントに来ている。「高齢者から予算を取って若者に回せば若者が活躍できるというけど、それをやると起こるのは再家族化で、結局若者が家族の面倒を見ねばならなくなり、活躍できなくなってしまう」というのはまさにそうだな。
— アオヤギミホコ (@ao8l22) 2017年6月6日
福祉がなくなって自分たちで高齢者の面倒を見てくださいと言われたら詰む家庭は山のようにあるはず
— アオヤギミホコ (@ao8l22) 2017年6月6日
「ペーパーは世代間対立をあおっていて、財政は限られているから、高齢者から予算を取り上げて、若者に回そうという理屈になっている。でも本来は緊縮以外にも方法はあり(歳入増など)、そもそも議論のスタートが財政削減ありきになっている」
「この図を見ると非常によくわかるんだけど、本来なら『若者への投資』がどのような影響を与えるかを書いていかなければいけないのに、『変化が激しい時代を生き抜く力』みたいなラップみたいな文章になっている。この図を見ると、すべての要素が『財政負担の軽減』に導かれるようになっていて、ここありきなんだなということがうかがえる」
〇日本の金持ちにはノブレス・オブリージュがない
「日本の金持ちにはノブレス・オブリージュがないですよね」
「それは日本の教育がいっけん平等なように見えているので、えらくなったり金持ちになった人は『自分が努力したからだ』と思い、そうじゃない人たちに対して『努力が足りなかったからだ』『もっとがんばれるはずだ』と思っているからなのではないでしょうか」
「日本の金持ちはけっこう話すと気さくですよね。でもそれは弱い人たちへの冷たさと表裏一体でもある」
〇なんだか人選がおかしくない?
「問題にしているような社会の課題を聞くにあたって、話を聞いた専門家がちょっとおかしくないですか?この問題ならもっと聞くべき人がいる気がする」
「松岡さんだけちょっと異質ですよね。だから松岡さんに最初コンタクトをとって、そこから松岡さんの人選で集めていったのでは。そして今回の問題だけではなく、もっと日本の問題全般について聞いているんだけど、今回レポートとしてまとまったのがこの分野だったんでしょう」
「本来ならこの5つのスコープがあって、今回は社会だけについてまとめている。だから色で囲んであるんでしょうね」「ああー、5部構成だったんですね。これからあと4つ出てくる」「いや、それはどうかな…」
〇なぜ経産省ペーパーはウケたのか?
「実は去年にも似たようなレポートが出されていて、でもそれは全然バズっていないんですよね」
「去年はもう少しデータ中心だったけれど、今回はメッセージが書いてある。バーッと読んでいくと最後にメッセージが出てくるのでわかりやすい。FBなどですごくシェアされましたけど、このパワポを読み込んでいる人はそれほどいないはず。読み込んでいたらあんなシェア速度でないはず」
「日本のエリートがタブーに踏み込んだ!という驚きがあったのかもしれませんね」
「若手ペーパーと長谷川豊の透析患者は死ねの話、欲望レベルでは通底しているのではないか。それがちょっと不気味」すごくわかります
— アオヤギミホコ (@ao8l22) 2017年6月6日
「どうしてあのペーパーがあんなにバズった?」という話になっていたけど、感覚として日本の若い世代(特に男性)は「自分たちは損をしている」という意識があり、もっと尊重されたいという気持ちにあのペーパーがうまく刺さってしまったのではないかと思っている
— アオヤギミホコ (@ao8l22) 2017年6月6日
最後の質疑応答で出た「これが若手から出て来たことに価値があると思う。自分は28歳だが、自分ももっと頑張らなきゃという気持ちになった」というコメントがものすごく頭の中で回っていて、「同じ世代である」というだけで連帯感と同族意識を持ってしまうことの怖さを感じる、裏返しでもあるから
— アオヤギミホコ (@ao8l22) 2017年6月6日
私はこの辺がキーなんじゃないかなと思っていて、「同世代(自分たちと同じ存在)」が、「同世代の問題を解決するべく立ち上がり」、「同世代を苦しめているが社会的に触れにくい要因に切り込んでいってくれた」というある種の爽快感があったように思います。
でも思うんですが若者だっていずれは高齢者になるしある日突然動けなくなる日がやってくるかもしれないし、そうなったときに「本当の弱者ではないはず、まだがんばれるはず」と判断される社会に生きていくのはしんどそう。若者/高齢者の二項対立と若者の優遇措置を持てはやすのは、かなり近視眼的な見方だなと感じました。
しかしこのレポート、読めば読むほど「日本は大変だ。もうどうすればいいの~?」という雰囲気があり、このレポートでもってなにか具体的な策を行政に期待するというよりかは(もちろん動いてくれるならそれは素晴らしいことですが)、こうした社会の中で自分はどう行動するべきなのかという指針にするのがよさそう。
ちなみに若手ペーパー、いろんな出版社が声をかけているらしいです。でも出るとしたら印税はどういう配分になるんでしょうか。30人で丸分けなのかな?
5月7日文学フリマ東京「風狂通信vol.4」円居挽特集に寄稿しました
5月7日(日)に開催される文学フリマ東京で発行される「風況通信vol.4」に寄稿しました。今回の特集はミステリ作家・円居挽。私は円居先生との麻雀を小説化した「麻雀稼業」という短編を書いています。
詳細はこちら!
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第二十四回文学フリマ東京、Fホール・カ-58ブースにて頒布
■値段:700円
■総力特集・円居挽ナイト! 今号の風狂通信は人気ミステリ作家・円居挽を徹底解剖!
○第一部「円居先生とミステリの話をしよう」
自著や創作論、さらには作家のSNS事情などについてロング・インタビュー!
○第二部「小説家飲み姿カワイイグランプリ」
京大推理小説研究会出身の円居先生に加え、明大ミステリ研究会出身の青崎有吾先生、成城文芸部出身の柴田勝家先生を招聘! 各文芸サークルの闇を(可愛さで許される範囲で)語り合っていただきました。はたして、いちばん闇カワイイのは誰なのか?乞うご期待!
○第三部「麻雀稼業」
カワイイグランプリの後ひと知れず敢行された決死の徹夜麻雀。 その一部始終をライターのアオヤギミホコさんが衝撃の小説化!
その他、好評連載「逢隈寧子のグミラー修行道」「白樺香澄ちゃんがミステリ映画の話してるから、みんな静かにして!」、日本ドラマ版『そして誰もいなくなった』レビューなど盛り沢山の内容で御送りします。
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Webサイトはこちら。
寄稿した文章を一部紹介します。
――最強の雀流とは何か?
新進気鋭の推理小説作家である円居挽のもとに届いた招待状には、たった一行だが、しかし熱烈すぎるほど熱烈な歓迎文が綴ってあった。その蠱惑的な文章の下には、日時と場所が書いてある。円居が葉書を裏返すと、癖のある手書き文字で送り主の名が記してあった。
風狂奇談倶楽部。……「風狂」を自ら名乗る奇妙な集団のことを、円居は以前小耳に挟んだことがあった。
彼らの名前が好事家の間で話題になったのは、昨年の夏の事だった。大学の推理小説研究会が行った合宿で、連続殺人事件が発生したのだ。楽しい夏の思い出になるはずだった数日間は、血塗られた惨劇へと姿を変えた。その連続殺人事件はJDC第六班の探偵によって解決されたが、犯行の裏で糸を引いていたのが、件の風狂奇談倶楽部だ。彼らはありふれた恋心を殺意に変貌させ、無残なマーダーゲームに仕立て上げたという。
JDCの調査をもってしても、彼らに迫ることはできたが、罪を問うことはできなかった(あるいは第一班であればそれも可能だったかもしれないが、探偵たちは他にも多くの事件を抱えており、ひとつの推理小説研究会が壊滅したところで、そうそう動く気にはならないのであった)。ただ、事件の裏に風狂あり、という事実だけは、一部の者たちには知るところとなったのだった。
なぜ風狂の連中は、自分にこのような招待状を――?
招待状を濡らしてみたりあぶってみたりと思いつく限りの確認をしてみた円居であったが、一枚の紙のどこにもヒントとなる情報はなかった。円居が選べるのは二つだけ。誘いに乗って真意を知るか、乗らずに全てを忘れるか。
円居は推理小説作家だった。そしてこの因果な職業は、好奇心を抑えることができずに破滅していくと決まっている。
京都から三時間ほどでたどり着いた、東京は高田馬場。学生街特有の喧騒をなんとなく聞きながら、円居は待っていた。終電間際の駅前ロータリーには近くの大学の学生が集まっており、寝転んだり、暴れたり、吐いたりと好き放題している。
円居はこの街は初めてではない。以前、ナンパ師のやり口を学ぶ、という勉強会の名目で訪れたことがあった。ルノワールで三時間ナンパ師のナンパ本について語り合ったあと、すたみな太郎でひどい質の肉とひどい質の寿司を食べるだけ食べた。翌朝最悪の気分で目覚めたのをよく覚えており、円居にとってこの街の印象はあまりよくはない。京都にも学生街はあるが、品という意味では天と地ほどの差があり、人間が暮らす街ではないように思えた。
ぼんやりと光景を無感動に眺めている円居のすぐ前で、たった今、女子学生が新たにゲロを吐いた。きらきらと光る吐瀉物が、コンクリートに流れていく。あーあ、ひどい飲み方やなあ、これだから東京は……。
「円居先生ですか?」
はっとした。すぐ横に、人が立っていた。
よく肥った男と、小柄な男だった。紫の燕尾服に、まるで舞踏会のような珍妙な仮面を付けた二人組は、さながらお笑い芸人か、もしくは異常者だ。周囲の様子を思わずうかがうが、誰もこの二人組に気を割いているようではない。この街ではこんな格好はありふれているのか、それともこの二人が気配を消しているために他者に察知されていないのか、円居には判別ができなかった。
「円居先生ですか?」
今度はもう片割れ――小柄な男の方――が尋ねた。円居は我に返り、首肯する。
「お待ちしておりました! わたくしどもが風狂奇談倶楽部です」
「ずいぶんと気軽に名乗るんやな。JDCの連中に追われているのでは?」
「ふふふ、なんのことだか。わたくしどもは、大変平和なミステリ研究サークルですよ」
「ぼくたちは円居先生のファンなんですよ! わざわざ京都からお越しいただいてとても嬉しいです!」
小柄な男が弾んだ声でそう語る。「あっ、握手、いいですか?」「は、はあ……」応じて握手を交わす。掌はじっとりと湿っていた。
「それではこちらにおいでください。わたくしどもからはぐれませんよう」
肥った男が声音だけは陽気に告げ、円居を導く。彼らはずかずかとロータリーの中に進んでいくので、円居は小走りで追いかけた。人、というよりも肉、あるいは物体、をかき分けていくと、古びたエレベーターがそこにはあった。「使用禁止」という札がかけられているが、二人は気にもせずに降下ボタンを押す。エレベーターは眠りから目覚めたように震えだし、口を開けた。
「さあ、円居先生」
「どうぞ、こちらに」
全身が警告をしている。この下には何か嫌なものがある――直視したくないものと出会う羽目になると、推理小説作家としてのおのれの本能が告げている。しかし同時に、本能はこうも言ってくる。ここで逃げては、面白くないではないか。
円居挽はエレベーターに乗り込んだ。四角い箱は唸りながら下降していく……。
謎の集団によって謎めいた場に導かれることとなった円居挽。
「――最強の雀流とは何か?」
ハスキーな声が響く。台のそばに、チャイナドレスを身にまとった何者かが佇んでいた。ショートカット、けだるげなまなざし。スリットから除く足はやや筋張っていて、何やらパズルめいた刺青が刻んでいる。
ハイヒールでつかつかとこちらに向かってくる足取りは、やや危なっかしい。不安定な足取りに合わせて、頭のバニーヘッドドレス――なぜバニーヘッドドレスを?――がぴょこぴょこと揺れる。アンバランスさがかみ合い、絶妙に世の男の性欲を刺激する姿。背筋に甘い疼きが走る。
「そして円居先生、あなたは隠していらっしゃる」
「……僕が何を?」
「わたくしどもがあなたを呼んだ理由を、あなたはおわかりになっていらっしゃるのでしょう? あなたは京都の名門ミステリ研の雀流を極めた男。あなたは興奮すると、右手の甲にその印が現れるはず――『京』の一文字が!」
円居ははっとおのれの右手の甲へと視線を走らせる。そこには確かに、京の一文字が赤く浮き上がっていた。
――世の中のミス研には、ある不思議な現象が発生する。大学や団体ごとに独自の雀流が生まれ、その打ち筋を極めた者には、聖痕めいた証が現れるようになるのだ。円居も学生時代麻雀にのめりこみ、一週間連続で卓を囲み、十連勝をしたところで意識を飛ばした。目覚めたときには既にその証は刻まれていたのだった。
「字持ち」たちの戦いが始まります。
いつのまにか、卓には三人の雀士が座っていた。サイケデリックな服を着た男、顔を赤らめてぐにゃんぐにゃんになっている女、そして……。
「ぼくがご紹介いたしましょう。京の字持ち――論理麻雀の円居。月の字持ち――催眠麻雀の兎原。早の字持ち――飲酒麻雀の水橋。もうおひとりは……ご紹介するまでもないでしょうか。円居先生は、彼のことはご存知でしょうから」
「ああ、知りすぎるほど知ってるな。講の字持ち……」
「円居さん!」
円居の言葉を待たずに、男が立ち上がり、駆け寄ってくる。みなラフな格好をしている中で、さっぱりとスーツを着こなしている。唇にはさわやかな笑みが載っているが、目は少しも笑っていない。軽薄な口調で、彼は円居に語り掛ける。
「お久しぶりです! 円居さんと打てるなんて嬉しいですよ~、大学ぶりですかね?」
「ああ、久しぶりだな、西泉……」
講の字持ち――接待麻雀の西泉。
円居の大学の後輩で、そして円居の元から去っていった男。
男と男の宿命の戦いが始まる――。
という話です。実際に行われた麻雀をベースに書いたような気がします。
風狂のブースで手に取っていただけると嬉しいです。なにとぞ!