オタク女子向けマストドンインスタンス「otajodon(おたじょどん)」立てました
マストドンが盛り上がっているので、インスタンスを立ててみました。オタク女子向けインスタンス「otajodon(おたじょどん)」です!
otajodonって?
年齢、ジャンル、次元問わず、オタク女子だけが集まって話をしているインスタンスがあれば面白いのではないか?と思って立てました。
萌え話はもちろん、自分の人生の話(恋愛、家族、仕事、友人、のろけ、もろもろ)を気軽にできる場になればいいなと思っています。が、使っていただくユーザーさんの自由です。
CP的な話で言えば、BL、百合、男女、夢、どれでもOKです。また、宝塚や若手俳優やファッションやコスメなど、「○○オタク」のくくりであれば(自分が「オタク女である」という自認があれば)参加していただければ~と思います。
どうしてotajodon?
マストドンを触ったときに、「ローカルタイムライン」がTwitterにはない仕組みで面白いなと感じました。
小規模かつ属性特化のインスタンスを立てれば、ローカルタイムライン内が(ある意味)「フォローしてないのにフォローしてる」みたいな雰囲気になるのではないか? そしてローカルタイムラインでオタク女たちがめいめい勝手に話し合っている情景ってとても面白いのでは……という考えのもとです。現状、とても面白いです。
ただ参加者が増えてきたりトゥートが増えるとローカルタイムラインの流速ももっと早まりそうなので、これからどうなっていくかを楽しみにしています。
4月18日20時半時点。
技術的な話
サーバーはAWSです。友人M氏にメンテナンスを託しています。資金はアオヤギの持ち出しです。最初は月1000円くらいでできるのでは?と甘い考えで開始したのですが、早くも「あ、これムリだわ、もっとかかるわ」となっています。
技術的な話とか負荷の話とか運営上で起こったあれこれはnoteなどで公開していけるといいなと考えています。
応援してやってもいいですよ
ありがとうございます!!たとえば
これをキンドルアンリミなどで読んでいただくことがパワー(物理)になります。あといつでも応援(物理)を受け付けています。
【追記】
想定以上にさらにコストがかかりそうなため(嬉しい悲鳴ですが……)Entyページを立たせていただきました。よろしければご支援いただけると嬉しいです!
これからいろいろとおもしろいことを考えていけるといいですね!
応援していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
若手ライターが読むと原稿の完成度とモチベーションが上がる本のススメ
先日、「若手ライターはいかに生き残るのか2」というイベントに出演してきました。米光一成さんと井上マサキさんと!
満員御礼で大変ありがたかったです。私は主にフリーライター→(紆余曲折)→会社でWebの編集記者という経歴でして、主に「ライターはふつうに稼げる」「しかし漠然とした不安はある」「紙とWebの距離」「早く売れたいけど売れない」「おかねだいすき」みたいな話をさせていただきました。
「イベントきっかけで原稿が○○に載ることになった」という話をいくつか聞き、編集さんやライターさんの交流の場になれたようでうれしいです。また第3弾を開いてそういう場を定期的につくっていければいいですね! いいライターさんは常に求められている業界なので!
さて、イベントでは文章術とかの話はほとんどでなかった(そもそも自分はそれが語れるような身分ではない……)ので、イベントの補足話として「若手ライターが読むと原稿の完成度とモチベーションが上がる本」のオススメを並べておきたいと思います。
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ
- 作者: 唐木元
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ナタリーの若手記者の特訓方法がめちゃくちゃ具体的に書いてあります。これを全部守れば商品としての文章の完成度がぐーんと上がるはず。この基本を身に着けたうえで、どこを崩すかとか、どう読者/媒体に特化していくかでまたもう一段階うまくなれそうな気がする。ちなみにこれはKindleで出てるんですけど紙で買ったほうがいいかもしれない(いつでも机の上に置いておいてパラパラできるのがよさそう)
日本で一番有名なのでは?と思うブックライター・上阪さんの本。 死ぬほど忙しい上阪さんですが締め切りを破ったことがなく、締め切りを破ることの愚かさと締め切りを守るためのテクニックがまとめてあります。世の中の締め切りを破ったことのある全ライターが死にたくなる本です。
アニメ関係で活躍している藤津亮太さんの本。声優さんのこれまでの仕事と作品に対するスタンスをインタビューしています。トップ声優陣の仕事の話を知るのももちろん面白いのですが、藤津さんのインタビュー技術が本当にすごい!(当たり前のことかもしれませんが)インタビュー相手の仕事や作品に詳しいので話を掘り下げて聞くことができ、なおかつそれを原稿にしたときに偉そうに(手柄っぽく)しない。
若手ライター(もちろん私含むです)は深い話を聞けたときってちょっと自分の手柄感出しちゃうんですけど、それって読者にとって本当に必要な情報かというと難しい。プロの黒子に徹することができる藤津さんの仕事に「見習わねば…」と思わされます。
「週刊文春」のすごいエピソードがバンバン載っている。これが若手ライターの仕事にどう生かせるかは難しいところなのですが、「業界1位は業界1位の看板を持っているからこそできる仕事があるし、だからこそ1位でい続けられるし、中の人は誇りを持って仕事ができる(=するんだったら業界1位の場所で仕事したほうがいい)「結局のところ人脈って超大事だよね」 「隣の(もしくは同じ)業界でこんなすごいことが起こっている。小さいことでウダウダ言ってる場合じゃねえ!」などなどを知ることができる面白い本です。
特に駆け出しのライターは「ナタリー式」を読んで書いてあることを最終チェックするだけで原稿のクオリティがぐっと上がると思います。ぜひ。
ここからおまけ!!!!
2014年のイベントを電子書籍化したものです。(宣伝かよ!!!!)(宣伝です!!!!)「ライターじゃないけど悩みが一緒」「オーディエンスがいろんな意味ですごい」「ライターはこんなこと考えてるのかと参考になる」などなどの感想をいただいています。Kindleアンリミに入っておりますのでぜひお気軽に1クリックを……。最後は宣伝でした……。失礼しました……。
知らない女とポーチの中身
これはフィクションなんだけど、友だちのDくんは真正の「メンヘラホイホイ」だ。彼はなぜか精神が不安定な女の子とばかり付き合うか、もしくは付き合っている彼女の精神が不安定になってしまう。
ふとした偶然から私はDくんの彼女と友だちになっていて、むしろDくんよりも彼女との方が親しい。彼女はDくんの彼女らしく精神は不安定で、しかし人に危害を加える不安定さではないし、そして独特の何をするかわからない不穏な感じがあって、私は彼女が好きだった。彼女は仕事を長く続けることはできなくて、これまで20種類くらいのバイトを転々としていて、仕事先で会ったおかしなひとの話を聞くのも好きだった。
ある日私は彼女に呼び出された。「久しぶり~」3週間ぶりに会った彼女の声は、いつもの底なし沼のような声ではなく、不思議とさっぱりと乾いた声をしていた。開口一番、思わず聞いてしまった。
「もしかして……Dくんと別れた?」
彼女は不思議そうに首を傾げる。
「別れてないよー。なんで?」
「いや……なんか、なんとなく。いつもと顔が違うから」
「ええ~、そうかな? あ、でもね、そういえばね、就職したよ。そのせいかな~?」
「えっ」「正社員です~」「ええっ」
失礼かもしれないが思わず絶句。正社員と彼女は、どうにも食べ合わせが悪い単語だと思っていたので。
「聞いてもいい? なんで就職したの? Dくんに養ってもらうからいいんだもん~って毎回言ってたじゃない。なにかあったの?」
「んー。あのね、ポーチを見つけたの」
「ポーチ?」
「Dくんの家のね、洗濯機の裏に落ちてた。ピンクの花柄のポーチ」
ほら見て見て~と、彼女は画面がバキバキに割れたスマホを差し出す。画面にはかろうじて、花柄のポーチの写真がうつっている。ひびわれたポーチが。
「これは……」「わたしじゃない、知らない女のポーチかな」「う、浮気?」「ううん。わたしと会う前にDくんが会った、知らない女。と思ってたんだけど」「思ってたんだけど?」「Dくんに聞いたら、誰のかわからない、って心底不思議がってたんだよね。もしかしたら、誰かが投げ込んだのかもしれないね」「んなわけあるか……」
あるかもしれない。そういえば一人暮らしの友人の洗濯機の中から、女物の下着が1枚出てきた話を聞いたことがある。彼はそこに女性を連れ込んだことは一度もなかったし、女装癖もなかった。ドラム式の洗濯機が、まるで異世界のドアのように、見知らぬ女の見知らぬ痕跡を残していく。
そんなことがあるかもしれない。
「ポーチの中には何が?」
「生理用品」
「うわあ」
男の家の生理用品かピアス、女の家の剃刀か煙草。
残ってしまう痕跡。残ってしまう執着のかたち。
「大丈夫、新品だよ。使用済みじゃないよ」
「そこの心配はしてなかったかな……」
にこにこと笑う彼女は楽しげにそう言って、そのあとすっと表情を消した。
「ポーチの持ち主を、わたしもDくんも知らないよ。でもね、わたしは知ってるって思った。――これは、知らない女は、きっと、わたし」
「え?」
彼女は彼の家で生理用品入りのポーチを見つけ、そして確信したという。彼の家に入ることを許されて、彼の家にこのポーチを置いていけて、そして彼のことを愛している彼の恋人。
そんなひとが2人といるはずがない。
「未来のわたしが、彼の家に投げ込んだ」
彼女はカバンをあさりだす。彼女は荷物が多く、カバンは少しだけ傷んでいる。そうして彼女がカバンから取り出したのは、さっき画面にうつっていた花柄のポーチだった。
ひびわれていないポーチだった。
「どうして就職したかの話だったよね」
「ああ……うん」
「ポーチの中にはね、もういっこ入っていたの。ピンクベージュの口紅。いまのわたしにはちょっとお高くて手が届かないし、そもそもつまらなくてつけたくない色。でもね、未来のわたしは」
彼の部屋にポーチを投げ込む未来の彼女は。
「きっと、ピンクベージュの口紅をつけているような、つまらない女になってるはず」