アオヤギさんたら読まずに食べた

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死んだ推しが生き返った、あるいは2016年のトゥルー・ロマンス

11月28日は私にとって歴史に残る日だった。とうの昔に死んだと思っていた推しが生き返ってきたのだ。

【警告】ここから先、「魔人探偵脳噛ネウロ」のネタバレ……ネタバレ?があります。

 

その推しの名は笹塚衛士という。ご存じない方もいるかもしれないので説明しておくと、笹塚衛士は松井優征の「魔人探偵脳噛ネウロ」に登場するキャラクターで、顔がいい刑事のおっさん(とお兄さんの中間キャラ)である。

魔人探偵脳噛ネウロ 11 (集英社文庫 ま 24-11)

魔人探偵脳噛ネウロ 11 (集英社文庫 ま 24-11)

 

 この人です。

文庫11巻にして初めて表紙を飾っているのは脇キャラだからではなくていろんな事情があり彼が「11」にちなんだキャラだからです。コミックス版ではちゃんと3巻に出ているのでかなりの重要キャラですよ!!!

魔人探偵脳噛ネウロ (3) (ジャンプ・コミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ (3) (ジャンプ・コミックス)

 

この笹塚衛士、低血圧っぽい喋りをする刑事。1話から出演している超レギュラーキャラクターで、主人公のヤコとネウロを絶妙な距離でサポートし、複雑な過去を持ち、警察内でも抜群の実力と信頼を勝ち取っている男でした。欠点がない。そんなの好きになっちゃうよ~!ということで好きになりました。

なんと小説では主人公になっています。うわ~、愛されてるね!好き!しかも書いたの東山彰良じゃん!

魔人探偵脳噛ネウロ 世界の果てには蝶が舞う (JUMP j BOOKS)

魔人探偵脳噛ネウロ 世界の果てには蝶が舞う (JUMP j BOOKS)

 

 好きになったのですが。

死にました。

 

(~唐突な自分語り~)

笹塚衛士が「ジャンプ」本誌で死んだあの日、2008年11月、私はまだ高校生で、日付が変わった頃にコンビニに行き、震えながら読み、呆然としながら家に帰り、まずひとしきり泣き、それからいったん寝て、朝5時に起き、フラフラと学校に向かう電車に乗りました。

私が当時使っていた電車には途中停車駅に「笹塚」駅がありまして、その駅名が目に入った瞬間涙が出る始末。ほうほうのていで学校に到着しましたが授業なんて出れず即保健室に行き、保健の先生に「推しが死んでつらい」と言って休ませてもらいました。午前中ずっと泣いてた。

ずっと泣いてたらだんだん落ち着いてきたのですが、昼休みになったら友人Oさんが保健室にやってきて、ボロボロの私を「アオヤギ大丈夫~?あっ泣いてねえじゃんつまんねえな^^もっと泣けよ!」と煽りに来たので元気が出ました。まあ彼女も推し(ガンダムOOのロックオン)を亡くしているので許す。

(~唐突な自分語り終わり~)

 

彼の死についてはもう作品を読んでくださいとしか言いようがないのですが、ただ一つだけ言えるのは、彼の死はどうやっても防ぐことができなかったということです。彼というキャラクターを完成させたのは彼の死によるものですし、「ネウロ」という作品自体、彼の死がクライマックスの展開の大きなきっかけ(というか、欠かせない要素)になっているんですね。

わたくしめは「IF」とか「生存パロ」とかが大好きなタイプのオタク女でございますが、「ネウロ」に関してはどうしてもその想像ができなかった。あまりにも笹塚衛士の死が必然だったからです。

「ネウロ」の最終巻、後書きで著者の松井優征は次のように語っています。

 

連載が決まったとき、最重要課題に考えたのは「商品として成立した作品を送り出したい」という事でした。自分の能力に可能な限りの範囲で、本を買って頂く方に対して責任を持って始め、責任を持って盛り上げ、何よりも責任を持って終わらせるという事を、週刊少年ジャンプという潮流の激しい雑誌の中でぜひやってみたかったのです。

そのために、最初の三話を始めとして1、2、3、7、10巻用のストーリープランを作り、どの段階でも極力責任ある終わり方が迎えられるように備えました。そしてたどり着いたのが、最長の(ほとんど漠然としか考えてませんでしたが)20巻プランです。

 

さらっと言っていますが連載初めての新人の考えることではない。松井優征タダモノじゃねえ。

この言葉に従うと、笹塚衛士が生き残れる道というのは、1、2、3、7、10巻用のストーリー、つまり初期段階~中段階で打ち切りが決まった場合でのみ発生するもので、「ネウロ」を応援したい、「ネウロ」という作品を最後まで完全な形で読みたい、と思った私自身が、笹塚衛士を殺したようなものでした。

 

さてそんな風に死んだ笹塚衛士ですが、2016年、まさかの生き返りを果たしました

11月28日に発売された「週刊少年ジャンプ」の「みんなのこち亀」というこち亀完結記念コーナーで、松井優征が描き下ろし読み切りを書いたのです。

内容は、「暗殺教室」(これも超傑作です)のキャラと「ネウロ」のキャラが、こち亀の魅力を伝えるクロスオーバーもの。そこに笹塚衛士はいました。天使のわっかもつけず!!!!生きてる!!!!!生き返った!!!!!!

 

筋肉少女帯の曲に「トゥルー・ロマンス」っていうのがあるんですよ。

「オレはもう一度 この胸で抱き締めるために 地獄から蘇ったぜ 何か問題あるかよ」

「全然ないわ あたしあなたに抱かれるために 生まれてきたんだから もうどうってことないわ」

ラーララ ララ ラブ・ゾンビ! ラブ・ゾンビ!

ラーララ ララ ラブ・ゾンビ! ラブ・ゾンビ!!!!!

マジでこんな気持ちでした。

 

とうに死んだと思っていた推しに、また会えるなんて、2016年はいい年だったな~。いや、ほんと、良かったな~。

こんなに書いてアレなんですけど(2500字)、読み切りで笹塚衛士は1コマしか出ていません。なのでもしかしたらあえて読むほどのものでもないかも。だけど生きているので神に感謝。ありがとう松井神。ラブ・ゾンビ!

それ、本気で聞いてます?僕に「シェゾ・ウィグィィ」の話をさせたら長くなりますよ?

人生の半分以上、シェゾ・ウィグィィに捧げている。

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小学校2年生のときだった。シェゾ・ウィグィィに出会った。友達の家にあったニンテンドー64だったかスーパーファミコンだかで、彼は燦然と輝いていた。

とはいえ、最初から彼に魅了されていたわけではない。

我々は毎週のように友達の家に集まり、ぷよぷよのトーナメント戦を行っていた。とはいえ我々はゲームが下手だったので、戦略の多くはのほほ積みかハーピー積み(運に任せるやり方ね)で、3連鎖をすれば「天才かよ」と言われる世界であった。4連鎖が決まれば勝負が終わる。

私はそこでスケルトンTを使用していた。お茶の話しかしない骨のキャラクターである。連鎖ボイスが面白く、まぐれで高連鎖が出るとみんなが沸き立つのが気分がよかった。我々の中での人気キャラはウィッチだった。

プレイしていたのは「ぷよぷよSUN」。SUNが画期的だったのは、ストーリーモードが3つあったことだ。基本的に我々はトーナメントモードしか遊ばなかったが、たまに人数が集まらなかったときはストーリーモードを遊んでいた。

そこにシェゾはいた。

彼はどちらかというと3枚目だった。我々はまだピュアな少年少女だったので、「お前が欲しい!」という彼の台詞のどの辺りが変態なのかはよくわからなかった。わからなかったが、変態と呼ばれるキャラのことは印象に残っていた。

 

次にシェゾと再会したのは、もう少し年齢を重ねてからだ。確かその時はテニスの王子様が大ヒットしていて、オタク女の素質を発揮していた我々はテニスの王子様の夢小説を放課後友達のmacで読み狂っていた。跡部と忍足が人気だった。

夢小説にブヒり疲れた我々は気分転換にゲームをした。それが「ぷよぷよ〜ん」だった。

そこに現れたシェゾは私にとって衝撃だった。とにかくかっこいい。顔が。改めて一目惚れをした瞬間だった。声はSUNのときのほうが馴染んでいたが、よ〜んのボイスも渋くてかっこいいと思った。

 

そこからは転げおちるようだった。シェゾが出てくるネット上の小説を読み漁った。正直、当時に世に出ていたウェブ小説は全部読み切っていたと思う。それくらいのハマりぶりであった。

順番は前後するが、ぷよぷよや魔導物語には公式小説が出版されていた。それも読んだ。この辺りでだんだん気づいてくる。シェゾというキャラは、キャラが一貫していない。作品によっては一人称も違う。ブレブレだし、役割もシリアスな敵役からおバカな三枚目までまちまちだった。

しかしここまでブレブレだと、逆に都合がよかった。好きな部分をパッチワークしていき、脳内に完璧に好きなシェゾ像を作ればよい。作品を読み漁るうちに理想ができれば、あとはもうアウトプットすればよかった。

 

確か小学校6年生の夏休みだった。私は中学受験を控えており、日本能無し研究会という揶揄で有名な日能研に通っていた。悪名高いNバッグを背負っていた。

これは完全に自慢っぽく聞こえるし実のところ自慢なのだが、当時の私は非常に賢く、日能研の内部テストで全国1位を取っていた。中学受験については不安もあったがまあこのまま頑張れば志望校には受かりそうで、正直若干の余裕があった。

私は毎日勉強しながら(マジで毎日勉強していた)、ノートの片隅にシェゾをメインにした小説をつらつらと書いていた。その頃はポルノグラフィティの「アゲハ蝶」が爆発的なヒットを飛ばしていて、多くのオタク女がそうしたように私も「アゲハ蝶」をタイトルに歌詞を引用しまくりながら小説を書いた。JASRAC?なにそれ?という時代だった。

書いたらやっぱり人に見せたくなる。私の家にはその頃パソコンがあって、インターネットにつながっていた。そして簡単な情報を入力するだけでウェブサイトっぽいものを作れるサービスもあった。やることは一つ。二次創作サイトを作った。ちゃんと「毒吐きネットマナー」にもリンクを貼っていた。ハンドルネームは「ゆめの行方」みたいな感じの名前だった。

 

それから私は大学3年まで(それなりの休止期間もありつつ)そのウェブサイトを更新し続けた。ジャンルの小説サイトの中ではそれなりに知られていたような気もする。財力ができてきたタイミングで同人誌も出した。爆売れというわけではないがわりと売れてうれしかった。

クリスマスもバレンタインもお正月も非常に忙しかったが、それはイベントに合わせて小説を書くがための忙しさだった。高校受験のときはノートに大量の小説を書き、受かった後にひたすらPCに打ち込んだ。大学受験のときはどうしても長編を書きたくなって3万字くらいの小説を書いてから勉強した。

 

もちろんぷよぷよクエストもプレイしてシェゾが出るまで課金したりしたけどそれは省略。

 

なぜあんなにシェゾが好きだったのか。

作品によって違うバックボーンも、作品によって違う服も、作品によって違う性格も、どれも揺らぎながらも彼の魅力だった。ただ、彼にはどの作品でも一貫していることがある。

それは顔の良さである。

シェゾは顔がよかった。どの作品内でも「美形だか変態」というラインは貫かれていた。シェゾはどんなに性格描写が崩壊しても、その顔の良ささえあればシェゾのキャラ性はギリギリ維持された。

というとシェゾを好きな人に怒られてしまうかもしれない。実際、シェゾの好きなところやいいところは死ぬほどあるのだが、私はそれをうまく言えない。ただ顔の良さだけは自信を持って言える。うちの推し、顔が死ぬほどいいんですよ。えへへ。

 

アラサー女5人で「横暴編集長」やったらめっちゃ楽しかった

この土日、アラサー女5人で旅行してきました。そこで友人Hさんが持ってきてくれたゲーム「横暴編集長」が面白かった!

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横暴編集長は、既存のタイトルとタイトルを組み合わせて面白そうなタイトルを作るゲーム。

有名だったりグッときたりする既存のタイトル(たとえば「ソードアート・オンライン」とか)が上の句と下の句に分けられ、手札となります。

場に出ているカードと手持ちのカードを組み合わせて、最強のタイトルを作ろう!というのが基本なのですが、面白そうな手札の組み合わせなのに場に出ているカードとの相性が悪くてあんまり面白そうなのが思いつかん!!!となったりしてなかなか奥深いです。

「走れメロス」とか「魔法科高校の劣等生」とかは上の句も下の句も使いやすいんだけど、意外と使いどころが難しい。

 

今回編集会議にあげられた(みんながよいと思ったタイトル)はこちら。

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この中で最後一番いいタイトルを決めるのがゲームの流れではあるのですが、一番を目指す!というより過程を楽しんでいくゲームだと思います。

私は「魔法科高校の自衛隊」が好き。100万部の匂いがする。

 

なお素面でやると滑る可能性もあるので、いい具合に酒が入っている状態、もしくはゲラがメンバー内にいる状態でやるのをオススメします。