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アオヤギさんたら読まずに食べた

インターネットで書いたことや考えたことなどをまとめます

「ライターになる方法をおしえて」と訊くような子はなれないでしょう

雑記

「ライターになる方法をおしえて」と訊くような子はなれないでしょう

これは歌人の枡野浩一さんの傑作短歌。この短歌をはじめて見たのはたぶん編集者のアライユキコさんのツイッターで(もしくは豊崎由美さんだったか…?)、詳しく読んだのは枡野さんのブログでだった。

枡野浩一のかんたん短歌blog powered by ココログ: 要望を読んで

枡野さんがこの短歌を作ったころと比べると、「ライターになる」という言葉が指すものはかなり変わってきていると思うけれど、今もこの短歌は相変わらず〈本質情報〉であるな~と思う。

 

私がライターになるきっかけになったのは、宣伝会議の「編集・ライター養成講座」の上級を受講したこと。講師は米光一成さん。

www.sendenkaigi.com

講座を受講することを決めたのは大学3年生のころ……だったと思う(記憶が既に曖昧…)。理由は「米光さんのファンだったから」というクソミーハーなものと、「なんとなく自分はライターになれるんじゃないかと思うんだけどきっかけがわからないな」というものだった。大学ではミス研に所属していて、先輩や後輩が作家を目指していたりデビューが決まったり、先輩や同期が書評で活躍しているのを見たりしていたんだけど、自分が創作やミステリやSFのジャンルでなにかを書けるだけの知識がないことは痛感していて、それでも何か書きたいと思っていたころだった。

受講中は、正直、めちゃくちゃ熱心な生徒というわけではなかった。米光さんの講義はすごくおもしろいし、たくさんのライターや編集の話を聞けてめちゃくちゃ刺激になったんだけど、肝心の自分の原稿はなかなかおもしろくならなかった。

当時の自分が書いた原稿(商業媒体に掲載されることを考えて書いたもの)が見つかったので載せてみる。(以下読み飛ばしてOKです)

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東京ビッグサイトのトイレを攻略!~今度こそコミックマーケットで最大手に並ばないために~
青柳美帆子

コミックマーケットの影の「最大手」。それはトイレ。
コミケの「トイレ問題」に悩まされている人は多い。コミケカタログの参加者投稿欄「マンレポ」ではトイレに関わる悲喜こもごもが毎回投稿されているし、コミケ初心者ガイドの中には「トイレには行けないものと思え!」なんて書いてあるものも。C81(2011年冬コミ)で、私のサークルの売り子さんは20分もトイレで並ぶ羽目になっていた。
でも、諦めて長い列に加わってはいけない。トイレを我慢するのもダメ(特に夏は脱水症状の原因になることも!)。東京ビッグサイトの会場のトイレは30カ所近くある。混んでいるトイレがある一方で、比較的空いているトイレもあるのだ。
トイレを攻略すれば、好きなサークルさんの新刊を一冊多く買えるはず! というわけで、トイレ情報をお伝えしよう。あくまでも「比較的」だから、ご利用は計画的に。
東京ビッグサイトの館内地図(http://www.bigsight.jp/download/public/bigsight_map_color_j.pdf)を見ながら読むと、よりイメージしやすくなるかも。

■並んではいけないトイレ
・国際展示場駅のトイレ
会場に行く前に……と思って並ぶ人が多いのだろう、コミケの日の国際展示場駅のトイレはいつでも混んでいる。ゆりかもめの駅も同様だ。駅でトイレに行く場合、国際展示場駅は避けた方がいい。りんかい線乗り換えまでにトイレに行っておきましょう。
・エントランスホールのトイレ
正面入口から入ってすぐの場所がエントランスホール。そこにはトイレが3カ所ある。ただし、このトイレは罠。目につきやすいので並ぶ人も多い。
・東館1階通路のトイレ
東館(東展示場)の1階、6つのホールをつなぐ通路には、トイレが4カ所ある。ここのトイレは、どれも表示が大きくて目立つ。エスカレーターを下りてすぐトイレ表示が見えるので、ついふらふらと入ってしまいやすい。東館のトイレ利用者を引き寄せる罠っぽいトイレだ。いっつも混んでいる。
・西館1階アトリウムのトイレ
西館(西展示場)の1階、2つのホールをつなぐアトリウム。ここにはトイレが2カ所ある。西館は東館と比べて狭い。トイレの数も少なくなっている。そのため、西館トイレ利用者は、1階アトリウムのトイレに集まりやすい。下手すると一番待つことになるのがここ。

以上のトイレが、4大「並んではいけない」トイレ。では、どこのトイレなら並んでもいいのだろう。オススメのトイレを2つ紹介しよう。

■オススメトイレ
・東館2階のトイレ
エントランスホールから連絡ブリッジを通って東館に入ると、大抵の人がすぐにエスカレーターで1階に降りる。そこで1階トイレに引っかかる人が多いのだが、ここで降りずに2階に留まるのがいい。2階通路にはトイレが6カ所ある。なんと1階の通路よりも多いのだ。その上、そもそも2階を通行している人が少ない&トイレの案内が控えめなどの条件が揃っているので、6カ所とも穴場になっている。その中でも、中央部に位置している4カ所のトイレは特にオススメできる。天丼屋やカレー屋を目印にしていくといい。
・西館ホール内トイレ
アトリウムのトイレが多くのトイレ利用者を吸収しているからなのだろうか、ホール内のトイレはあまり混んでいない。また、人気のあるジャンルは東館に配置されることが多いため、そもそも西館の通行人数は東館と比べて少なめだ。ホール内でも、人が少ない方にあるトイレは狙い目。男性が少ないエリアの男性トイレは空いているし、女性が少ないエリアの女性トイレは空いている。人の逆を行こう。

脳内シミュレーション、できただろうか? 実はこのトイレ傾向は、コミケだけに見られるものではない。春コミやコミティアと言った同人誌即売会、就活イベント、AKBの握手会などなど、かなり多くのイベントで共通している傾向なのだ。
トイレを制する者がビッグサイトを制す。次こそ最大手に並ぶことなく、イベントをバッチリ乗り切ろう!

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ブログ記事なら正直そこまで悪くないんじゃないかな~~と今読んでも思う。ただ、「数字がないのでぽやっとしている(調査が足りていない)」「男子トイレについては触れられない」「毎年混んでいるトイレは変わる(実際、今は東館二階のトイレも普通に並ぶ)」といった問題点が目立つ。

今自分が商業媒体で書いている記事が飛びぬけて成長しているとはなかなか言いがたいんだけど、でもまあこの頃の記事がダメだな~というのはなんとなくわかるようになった。

あともうひとつ見つけた。(こちらも以下読み飛ばしてOKです)

 

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ウサギ! めがね! 触手! 同人誌印刷所に来てる「変な割引」ブーム

青柳美帆子

 

去年11月、ドミノピザが一風変わった割引企画を実施したことがあった。中学二年生が注文したら割引の「中二割」、配達員に優しい一言をかけてあげれば割引の「やさしさ割」、エトセトラエトセトラ。

そんな変な割引企画の波が、今度は同人誌印刷業界にやって来た。「ウサギ割・めがね割・触手割」なんてものが登場したのだ!

もともと同人誌印刷業界は、さまざまな割引企画がある。早めに入稿すると安くなる早割などは、たいていどこの印刷所にも設定されている。だけど、ウサギもめがねも触手もここ十年ほど聞いたことがない。「もはやこれ悪ノリなんじゃない?」と思ってしまうような割引企画だ。詳しく紹介していきたい。

 

■ウサギ割

ウサギ割は、コミプリ(http://comipri.com/)の始めた割引キャンペーン。コミプリのマスコット「ものくん」(クロウサギ)にちなんだ企画だ。

「ウサギに関する作品を扱った同人誌である・作品の中にウサギが登場する・作品の中にウサギに縁のあるキャラクターが登場する・メインとなるキャラクターがウサ耳である」いずれかの条件を満たせば、いつでも11%割引してくれる。例えば東方projectのうどんげを扱った同人誌であれば、うどんげはウサギに縁があるし、ウサ耳だし、見事に条件に当てはまっているので11%割引で印刷できる。

 

■めがね割

めがね割は、眼鏡印de印刷所(http://www.megane-insatsu.com/)のキャンペーン。「メガネインサツが『めがねキャラ』を応援しないでどうする!」というアツい気持ちから生まれた割引企画だ。

表紙(表1or表4)に眼鏡キャラが書かれていて、なおかつ早割の日程で入稿すると、20%の割引になる。「眼鏡って、どこまでが眼鏡なの?」という疑問に、眼鏡印de印刷所は「基本ゴーグルは眼鏡ではございませんが、今回はOKです」「鼻眼鏡は眼鏡に含まれます」「サングラスは立派な眼鏡です」「伊達眼鏡はギリギリ眼鏡です」と大まじめに答えている。

 

■触手割

触手割は、30周年を迎えた老舗印刷所、大陽出版株式会社(http://www.taiyoushuppan.co.jp/doujin/)の始めたTwitter企画。

「触手本(触手ネタ)」かつ「大陽出版のTwitterアカウント(@taiyoushuppan)をフォロー」すれば、20%~30%の割引になる。この企画が発表されてから、公式アカウントに「○○は触手割に適用されますか?」との質問が殺到している。中の人があれこれ判定した結果、「意志を持ってにょろにょろ動き始める」モノは大体OKに。蛇やウナギやドジョウも広義の触手に認定され、割引の対象となっている。ちなみに、「触手なんて不潔!不良!とおっしゃられる向きもあろうかと思いますので、『ふ菓子』『う●い棒』が作品内に出てくる本も可」と、触手が苦手な人への配慮もバッチリ。

 

他にも、

・緑陽社(http://www.ryokuyou.co.jp/)の20世紀割(20世紀に連載開始した作品の同人誌なら割引)

・HOPE21(http://www.hope21.co.jp/)のTwitter割引(@hopechan21をフォローすれば割引)

・PrintWALK(http://www.print-walk.co.jp/)のproject0214(入稿時にチョコをあげると割引・ホワイトデーにお返し)

……などなど、ちょっと変わった割引企画はたくさんある。一般印刷所に比べて個性の強い同人誌印刷所、割引企画も個性派揃いだ。だけど、これだけたくさんあると逆にどこに入稿すればいいのか悩んでしまう。春コミの新刊どうしよう、とりあえず眼鏡ウサ耳キャラが触手に襲われる話でも考えておこうかなー。

***

 

ね、ネタが地味……。

米光講座では自分の軸となる「テーマ」を決めてそれを中心に書くんだけど、私が設定したテーマは「同人(誌)」だった。同人を中心にネタ探ししてると正直めちゃくちゃニッチになる。ニッチになった結果がこれである。同人とかオタク文化に強い媒体ならもしかしたらそこそこアクセスいくかもしれないけど、まあ普通の媒体に掲載したら5000アクセスもいかなさそうですね……。

 

とまあ、講座ではこんな感じに悪戦苦闘していた。他の人の書いたものも公開されているんだけど、「私より断然うまいな~」という人が何人かいて、いっちょまえに嫉妬などしていた。

講座中にとにかく指摘されていたのが「ネタが地味」。で、いっそのこと正反対の派手なネタを探そう…と思って書いたのが、商業媒体で初めて掲載されたこの記事です。

www.excite.co.jp

それからいろいろあって、今でも駆け出しライターとしていろいろ書かせていただいています。私の場合、講座を受けていなかったら、ライターはやっていなかったんじゃないかな…と思っています。

 

ただ、講座を受けなければライターになれないのかというと、全然違う。特に最近は「未経験からでもOK」というWEB媒体がものすごく増えていて、原稿料は2000~5000円くらいであることがほとんどですが、なろうと思えばライターになれるという状態です。

だからそんな状態なのに「ライターになる方法をおしえて」と言ってるようじゃ、もはやもうダメなわけですよ。なろうと思えば絶対になれるわけですから。

ただし、ここにもいくつか問題がある。

 

1.「ライターになる方法をおしえて」という言葉がそのままの意味じゃない問題

以前知り合いから「知り合いがライターになりたいって言ってるんだけど、どうするものなの?」という質問をもらったことがあります。

「今はいろんな媒体がライター募集してますから、一本2000~5000円でスタートして徐々に書く量や単価を上げていけばいいんじゃないですかね」

「う~ん…そういうのじゃないんだよね。青柳さんが言ってるのってニュース記事みたいなものでしょ?」

「???まあ、はい、レビューとかもありますけど」

「その人はね、サッカーが好きなのね。だからサッカーに関するコラムとかエッセイを雑誌に書きたいんだって。そういうライターになるにはどうすればいいかな?」

「えっと……その人はサッカージャンルで有名な人なんですか?」

「ううん」

「そりゃむりでしょ~~~~~しらね~~~~~」

単純に「ライターになる」んじゃなくて、「雑誌にいっぱい書くライターになる」「月50万稼ぐライターになる」「単著が出るようなライターになる」「ヨッピーさんみたいなライターになる」みたいに前にいろんな修飾語がついてる場合は、一気に難しくなります。

ただそういうときも、その修飾語部分をきちんと言語化できない時点で、向いてないのでは?と思いますけども……。

 

2.「ライターにな」れたとしても自分の中の基準がグラグラの場合

WEB媒体はPVがめっちゃ重要ですが、PVだけじゃないということは、多くのWEB媒体関係者が言っていることだと思います。だいたいみんな「おもしろい」ものを作りたいと思っている。

ただぼんやりしていると、何がおもしろいのかどんどんわかんなくなってくるんですよね。自分が書いたものがおもしろいのかつまらないのか、適切なのか不適切なのか……(炎上ねらいや炎上覚悟ものはともかく)予想外の炎上というのはこういう「わからない」から生まれてきます。

もちろん自分の中でそのおもしろさの基準がはっきりしていればいいんですけど、駆け出しのライターなんてその辺グラグラです。そのときにブレーキやアクセルをかけてくれるめっちゃありがたい存在が編集さんです。

たくさんお世話になったりご迷惑をおかけした編集さんがいるのですが、中でもエキレビ!編集長のアライユキコさんにはハチャメチャにお世話になっています。

アライさんにお会いしたのが宣伝会議の講座内でのできごとなので、それだけでも受講してよかったな~~~と思っています。

 

blog.lv99.com

そんな講座の無料体験講座が1/23に開かれるそうです。なんかおもしろいことやってみたいな~、米光さんみたいなライターになりたいな~、と思っている人は行ってみるのがオススメです。

 

かんたん短歌の作り方 (ちくま文庫)

かんたん短歌の作り方 (ちくま文庫)

 

枡野さんの本。短歌とか俳句の本って「バズるツイートを書くにはどうすればいいか?」「よいレビューを書くにはどうすればいいか?」ということも学べます。