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アオヤギさんたら読まずに食べた

インターネットで書いたことや考えたことなどをまとめます

あの娘ぼくの父親がアニメキャラだったらどんな顔するだろう

私の父親はアニメキャラだ。

小学校(私立)を素行不良で中退させられそうになり、神社の石段をバイクで駆け上り、本屋のバイトをしていた母をナンパし結婚し、女の子を2人作った。姉と私だ。

育児方針は悪辣で、子どもを布団にすまきにして放置したり、ウォータースライダーで手を放し、押し入れに閉じ込めた。当時はバブルまっただ中、自動車関係の仕事をしていた彼は独立し、中国に会社を立ち上げた。初めは景気よくまわっていた会社はしだいにうまくいかなくなり、中国からなかなか帰ってこなくなった。子どもは小学校に入学したが、彼は行事ごとをことごとくドタキャンした。かと思えば唐突に帰ってきて、おもちゃでいっぱいの部屋にブチ切れ、おもちゃをすべて二段ベッドの上にあげて梯子を隠した。私が小学生のときに両親は離婚する。経済状態はどんぞこで、母は養育費も慰謝料も請求しなかった。

それから何年かして、父は再婚する。共同で会社を経営していた中国人の女性。子どもが産まれた。男の子だった。息子は初めは中国で育てられたが、日本の小学校に入学した。彼の家は中国語と日本語が行き交っている。

父は思春期の娘にかける言葉を知らない。会うと言うことは「痩せた?」か「太った?」しかない。娘たちの近況を聞くことはなく、中国の話ばかりする。従妹の結婚相手に結婚祝いの言葉として「中国のキャバクラを紹介しますよ」と言う。たぶん本気で言っている。「お前たちの結婚相手も中国のキャバクラに案内してやるよ」と言うので、「紹介すると思ってるんだ?」と訊いたら「えっ」とびっくりしていた。

いま息子は中学受験を控えている。父が息子と嫁に向かっていわく、「娘たちはそこそこ高学歴。もし息子が低学歴だったら、それは母親のDNAのせい。だって血は半分一緒だもんね」。お嫁さんはそれを半分くらい本気にしていて、プレッシャーに感じているらしい。

信じられないくらいデリカシーが欠けている人が現実に存在していて、しかもそれが自分の父親というのは大変納得いかないのだが、いろんな人から話を聞くと、そういったダメな父親は世の中にたくさんいた。みんな笑いながら話をするのでコメディアニメの登場人物のようだ。私も父の話を人にするときは笑ってしまう。ショートコント「父親」。

二次元ならいいんだ。アニメならいい。アニメキャラだったら愛せた。私はこれからもずっと父親と、父親のような人間を嫌い続けていく。アニメキャラじゃないので。