アオヤギさんたら読まずに食べた

暮らし、エンタメ、金、自己啓発、ときどき旅

私が書いた増田を探して

今から書くことは9割フィクションなのだが、はてな匿名ダイアリーというサービスがある。匿名で日記を書けるサービスだ。通称増田(アノニマスダイアリー、の真ん中をとって、増田)。

私はたまに増田を書いている。そして増田を読んでいる。新着エントリの中に、注目エントリの中に、時折知っている人の文章が見える。

というと非常に妄想じみているが、増田の作者も人間であるので、知り合いだと「このネタは○○さんっぽい」「この言い回しは××さん」「こないだ会ったとき△△さんこういうこと言ってたな」とぴんとくるポイントが多いものだ。それから文体や改行のクセなどもある。

anond.hatelabo.jp

これは以前書いた増田の特定方法のエントリ。こういうことをやっていたら気持ち悪がられた。

数多ある増田の中から知り合いを見つけたとき、とても嬉しくなる。そして同時に、私も見つけてもらいたいなあ、と思ってしまうのだった。

 

私は増田を書く。増田に書くことは9割妄想で、1割本当のことである。

増田を書くとき、私の性別はときたま男になり、年齢は30代になったり10代になったりする。恋人がいたりいなかったり、配偶者がいたりいなかったりする。いかにも私が言いそうなことを書くときもあれば、絶対に私が言わなさそうなことを言ったりする。

その中から、私が書いた増田を見つけてくれたら、それはもうとても嬉しいことなのではないか。

 

じとめふすきーさんという友人のミリオタおじさんが、こういうツイートをしていた。

 これはいい。とてもロマンチックだ。

だから私も交際相手の机の上にメモを残してきた。「私が書いた増田を探して」。そして旅に出た。旅先から増田を書いた。今、東北にいるから、迎えに来て。

増田を書いて1時間後、交際相手からLINEが来た。

「見つけたよ。でも、ウソをついているよね?たぶん君は東北にいない。というか旅に出ていないんじゃないかな?」

「どうしてそんなことを言うの?迎えに来たくないのかな」

「君の増田、縦読みで『うそです』って書いてあった」

「結婚して」

そして私たちは結婚した。彼の苗字は「増田」であった。

 

産まれた子どもは女の子だった。私はその子に「果奈」と名付けた。「はてな」と読む。果奈はすくすくと育っていった。5歳でインターネットをはじめ、7歳で親子喧嘩の末に「論破www」と言い放った。そして彼女は中学生になった。

中高一貫の女子高に入った彼女は、持ち前の高いプライドで同級生を威圧した。彼女は入学3日で孤独になったのだった。しかしそんな彼女に構ってくる女がいた。彼女の名前は、夜見こまちと言った。

こまちはきれいな娘だった。医者で年収1000万以上の父親と、専業主婦の母親をもち、入学まもなくクラスの中心人物になった。こまちは果奈の席の前に立ち、にこにこと言い放った。

「ねえねえ、果奈ちゃん、自分が浮いているの、わかってる?」

果奈はこまちから目をそらし、いらいらと返す。

「浮いてるんじゃない、慣れあうつもりがないだけ」

「果奈ちゃん! その態度がカッコイイと思ってるんだね。協調性って知ってる? あのね、あなたみたいな人のせいで、クラスのフーキが乱れてるの」

「なかよしごっこの維持ゴクローサマ。誰にも頼まれてないのにそういうことをしてるなんて、こまちちゃんは暇なのかな?」

「果奈ちゃん、果奈ちゃんって、もしかして自分以外の人は全員バカだと思っているでしょう? あのね、それって、すごぅくダサいのよ。自分より下の人とうまくやれないって、ただ単に能力が低いだけなの」

家に帰った果奈は、増田に長文を書いた。そしてふたりは、友達になったのだった。

 

という妄想を、最近毎日しています。