アオヤギさんたら読まずに食べた

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オールタイムベストビジネス書『7つの習慣』を、今度こそ自分の生活に取り込む方法

会社員になりました。というわけで、ビジネス書や自己啓発書を読む気になっています。

まずはオールタイムベスト級から……ということで読んだのは『7つの習慣』。この本は、日本で出版されている自己啓発書の中でも非常に知名度の高い一冊で、アマゾンのビジネス書のランキングなんかを見ると常に上位にいます。帯によると国内では200万部以上売れているらしい。

原著は1989年、日本版は1996年に出版。2013年には完訳版『完訳 7つの習慣』も出されてます。私が読んだのは完訳版。

 

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

 

 

『7つの習慣』シンプルな7つのポイント

というわけで、「7つの習慣」とはなんなのか? まずはそのまとめから(いろんなwebメディアでまとめ記事とかNAVERまとめとかもあるけど一応全部読んでまとめたよ!!!)。

『7つの習慣』が教えていることはどれもシンプル。

・第1の習慣 主体的である
自発的に率先して行動し、人間として自分の人生の責任を引き受ける。
「しなければならない(should,must)」ではなく「する(do)、したい(want to)」という態度で様々なことに臨む。

・第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
自分にとって本当に大切なことに沿って、今日や明日、さらにその先の生き方を計画し、思い描いたビジョンを実現する。
自分が何を重視しているかを見つめ、自分が大切にしていることをまとめた「ミッション・ステートメント」を書く。

・第3の習慣 最優先事項を優先する
物事を「重要かつ緊急」「重要だが緊急ではない」「重要ではないが緊急」「重要ではないし緊急でもない」という4つに分け、優先順位をつける。
「重要かつ緊急」ということに対処し続けるのではなく、「重要だが緊急ではない」ことを増やしていく。

・第4の習慣 Win-Winを考える
必ずお互いの利益になる結果を見つけようとする「Win-Win」を目指し、Win-Winになるシステムを構築する。Win-Winのつもりで、実は違うやり方を選んでいないか気を付ける。
Win-Winがどうしても実現しない場合、「No Deal(取引しない)」という選択肢を選ぶようにしてみる。

・第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
相手を理解しようと思いながら傾聴する。けして「自分史」を語り出したり、相手の話の中に自分の過去を見いだしてそれに向かって話したりしない。
相手の言葉を繰り返したり、自分の言葉に置き換えてみたり、相手の気持ちを言葉にするといったスキルを使いながら、相手を理解することを目指す。

・第6の習慣 シナジーを創り出す
自分と相手が協力することで、1+1=2以上の力を発揮するようにする。そのために必要不可欠なのは、深いコミュニケーションや、違いを尊重することや、相手の立場に立って「第3の案」を探してみること。

・第7の習慣 刃を研ぐ
人間をつくっている「肉体」「精神」「知性」「社会・情緒」という4つの側面を磨く。たとえば「肉体」なら、体によいものを食べ、十分に休養して、週に3時間ほど体を動かす時間をつくる。

第1から第3までは「私的成功」を、第4から第6は「公的成功」を、そして第7は「再新再生」を達成する習慣になる。これら7つを習慣づけ、物の見方(パラダイム)とあり方を変え、成長していくこと――これをさまざまに具体例を出しつつ教えていくのが『7つの習慣』。

 

ネットの人気エントリにも頻出する『7つの習慣』

とはいえ。

シンプルだしわかりやすいといっても、できるかどうかはまた別問題なんですよね~~~~~。

『7つの習慣』の話は、ネット上のライフハック記事の中でも取り上げられやすい。

たとえばこのブログエントリ(2016年1月)。

www.goodbyebluethursday.com

見てのとおり、はてなブックマークが2100超もついてる。こんなにブクマされてみてえよ……。

このエントリで紹介されている方法は2つ。「緻密なスケジュールを立てること(そのためには仕事の全体像を把握する必要がある)」「緊急性と重要性のマトリックスでタスクを可視化すること」
後半部分はまさに『7つの習慣』の第3の習慣そのもの(エントリ内にも「原典」として紹介されてます)。スケジュールの立て方も、第3の習慣について書かれた部分に同様のエピソードがある。
おもしろいしめっちゃよくわかるのが、このエントリに対して一定の反発が見られること。はてブの「人気コメント」トップにはこういう文章が並んでいる。

〈それができれば苦労はしない類の正論。/実際タスクを書き出してゐる間にも次々と新規の案件が追加されるわけですがそれは〉
〈「自分の業務量が適正だった場合に限る」てやつかな。残業してまで終わらせた結果、「お、進捗いいじゃん。じゃあこっちも追加でよろしく。今なら余裕あるでしょ」になるだけの未来がこんなにくっきりはっきりと」と〉

ここに並べられている不満は「緊急だが重要ではないもの」を押し付けられることで起こっているものだ。
『7つの習慣』ではそういった例が紹介されていて、自分にとっての優先順位が相手にも伝わればそうした「意味もなく降ってくるタスク」がおのずと減るとされているが、ハウツーだけ取り出したものを知った読者にそのレベルの悟りを求めるのはさすがに難しい。

 

「副読本」を見つけるライフハック

上に挙げたブログエントリでもそうなんですが、『7つの習慣』についてもっとも多い反発は「それができれば苦労しない(それができないから苦労している)」でしょう。シンプルなことほど実行は難しい。
もっと言うと、本書は自主性を求める(第1の習慣)ので、「これをしろ」「あれをしろ」というタイプの指南はしてくれない。これモテ本とかによくある話なんだけど、細かいテクニックをまとめた本には哲学が抜けていて、いい哲学を教える本には細かいテクニックが抜けているんですよね……。「今すぐ○○を克服したい」的な対処療法的な効果を求める読者には、「結局具体的に何をすればいいんだ!」ともどかしさも与えてしまいかねないという難点があるんです。

 

ここでひとつ「こうすればいいのでは?」と思ったのは、『7つの習慣』と他のビジネス書を組み合わせること。『7つの習慣』を「大きな目標」にして、より細かな行動の指針が書かれているビジネス書を「小さな目標」にするというやり方。
私はたくさんビジネス書や自己啓発書を読んでいるわけではないんですが、最近読んだ『スーパーベターになろう!』は相性がいいと思う。

スーパーベターになろう!

スーパーベターになろう!

 

 

『スーパーベターになろう!』はゲーミフィケーション的な考え方を採用していて、克服したいことやなりたいこと(「よりよくなりたい」などでもいい)をRPGの「倒すべき敵」ととらえる。
その敵を倒して「クエストをクリア」するために、自分で(たとえば「太陽の光を浴びる」や「水を飲む」といった、自分を励ませるような)「パワーアップアイテム」を設定する。そしてそのアイテムを使いながらクエストに挑む……という仕組みを提案している。

たとえば、私は「皿を洗う」ということに対して難しく思う気持ちを抱いている。「皿を洗える自分になる」ことは、目標としていることであり(第2の法則)、私にとって「重要だが緊急でない」ことのひとつだ(第3の法則)。
それをクリアするために、「音楽をかける」や「ごほうびを用意する」といったパワーアップアイテムを使い、皿洗いという敵に挑み「皿を洗える自分」になれる……というわけだ(おそらくこれは第7の法則にも近い)。

 

……というふうに、どんな本でもいいので組み合わせてみて、「これはこの本のここにあたるな」と相互に確認してみて、習慣づけの手がかりを作るといい気がする。

結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる

結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる

 

これまだ読んでないんですけどこれも相性がよさそうな気がする(イメージで話をしてます)。

自分でもやりがちなんだけど、まあビジネス書や自己啓発書を読んで「こんなことできれば苦労しないよ!」とひねた態度になることほど意味のないことはない。スキルアップか、もしくは気持ちのドーピングがその手の本の目的だろう。

私もこれから特に第三の習慣を意識して生活していきたい……。

 

あと、冒頭にも書いたとおり会社員になりましたのでビジネス書を読んでいきたいと思っていて、これ読んでおけば捗るよ~みたいなのがあればブコメとかコメントなどで教えていただきたいです。

もちろん送っていただいてもかまいません!!!!ウィッシュリストはこちらです!!!

「おそ松さん」21話「麻雀」が最高だったので実際にやってみた(まとめ)

「おそ松さん」21話前半エピソード「麻雀」がほんと~~~に好きでして、ぜひ実際にやってみたい!と思い、ねとらぼで書きました!

(麻雀わからない方は、役名とか点数とかは必殺技だと思って聞き流しつつ、誰が誰に勝ったのかだけ見ていただければ!あと役満は超最強の必殺技と考えてください)

nlab.itmedia.co.jp

協力してくれたのは玉木サナさん(おそ松推し)、長門さん(十四松推し)、コマシちゃん(十四松推し)。突然の呼びかけでしたがマジでありがとうございます…!!

正直「チョロ松とかツモればいいじゃん」と思ってたんですけど、だいたいみんなが引いてるあいだにツモるのが普通の麻雀なのに対して、全員に待ちが見えてるうえにガンガンくるキャラが2人いると、テンパイしてることが死ぬほど不利という謎の状態になるんですよね…。ツモる前に押し切られてしまう!

そしてトド松は赤牌がないので鳴いても鳴いても全然点数が上がらず、できて役牌ホンイツくらいというクッソつらい展開なのでした。あと「これ鳴かないほうが良い手になるよね?」というときでも鳴かなきゃいけないのがキツすぎる。

カラ松はなりきったのはサナさんでしたが、本当につらそうで笑った。

つらい気持ちを全力で書いてくださってるエントリがこちら↓

nopmat.blog.fc2.com

カラ松をやったサナさんだからわかるカラ松の狂気…!私がわかったのは「チョロ松とトド松、人生の収支ではマイナスに行く人間だな」ということくらいです。

 

あと21話「麻雀」の詳しい解説エントリはいっぱい出ているのですが、

近代麻雀漫画生活:「おそ松さん」第21話の麻雀シーンを徹底的に解説してみました

やはり麻雀ブログといえばいのけんさんのブログを紹介せずにはいられない!こちらをぜひ読んでみてください。面白いです。

 

松麻雀めっちゃ楽しかった。またやりたい…ですが、今度はおそ松か十四松でやりたいナ……。

働く女子の本心は『タラレバ娘』じゃなくて『ずっと独身でいるつもり?』なのではないか

5億年遅れという風情で『東京タラレバ娘』の話をしますと、ど~~~しても不思議だったのは主人公の仕事に対するスタンスだったんですよね。33歳でそこそこ周囲から認められる仕事をしていて(なにせアシスタントを雇えるくらい)それなりに所得も高くて……という状態だったら、どう考えてももっと仕事にプライドを持っているはずだろう!!!と。

女性の30代であんだけちゃんと仕事をしていたら、一個の仕事がなくなってしまってもまたなんか違うところから仕事を持ってきたり、どんなにマンネリ脚本家だったとしても仕事に対してのプライドはしっかり持っていたりするし、「自分がマンネリだ!」って気づいたときに恋愛映画を借りに走ったりとかしないような気がするんですよ……。

まあ実際は倫子の仕事ダメダメ描写は4巻での展開につなげるためのタメだったわけですが、それでも倫子の仕事に倦んでた感じや、女子会のつまらない感じは、周りのエンタメ業界で働いてる女性の実像とだいぶ離れている感じがありました(もっとみんな人生楽しそう)。

 

んでもって個人的に「こっちのほうが本心に近い気がする」と思ったのが『ずっと独身でいるつもり?』

ずっと独身でいるつもり? (フィールコミックス)

ずっと独身でいるつもり? (フィールコミックス)

 

 原作(原案)は「こじらせ女子」の発案者で知られる雨宮まみさん。作画は『サプリ』などのおかざき真里さん。

この本はもともとは同名のエッセイで、エッセイなので雨宮まみさんがいわば視点人物でしたが、漫画では「雨宮まみ」さんの要素を3人の女性に分け、オムニバスストーリーにしています。

フリーライターの「まみ」

フリーランスの「由紀乃」

デザイン事務所に勤める「シミズ」

みんな36歳独身。彼氏はいたりいなかったり別れたり別れなかったり。彼女たちは仕事を楽しんでいて、仕事が充実していて、気づいたら周りから「結婚は?」と言われるようになっていた。

「何かさー 好きな仕事一生懸命して ようやく認められるようになって そのお金で好きなことしたり楽しんだり ようやく『できる』ようになったのに 『かわいそう』って」(まみ/1話)

「“由紀乃ちゃん僕のことそんなに好きじゃなかったでしょ”うんごめんそんなに好きじゃなかった なのに死にたくなるのは何故 この年の失恋は命にかかわる」(由紀乃/2話)

「こうやってほんの少しの 小さな楽しみや目標を作って それを支えに1週間を乗り越えて行く それはまあ 自分で鼻先に人参ぶら下げて自分で走る 馬車馬みたいなもんだと思うけど」(シミズ/3話)

そして最後の4話では、まみに結婚話が浮上する。付き合いだして間もない彼氏が「結婚しよう」と言い出すのだ。とんとん拍子に進んでいく結婚話。彼に対して感じる小さな棘に見て見ぬふりをしながら……。

「ライターをやっている」と自己紹介するまみに、彼氏の母はこう言う。「…………それだけ?」

〈――ああ ライターで女でって隙間っぽい……アルバイトみたいに見られるんだよなあ でもずっとなりたかった職業なんです そしてちゃんと自分ひとり食べています貯金もありますそれで私の部屋を引き払い引越します 彼の方にお金ないので式もしませんけれど新婚旅行も行きませんけれど 私あなたの息子さんより しっかりしていますけれど〉

この結婚話がどうなるかはネタバレになるので書かない。が、『ずっと独身でいるつもり?』はこのセリフで終わる。

「幸せって何だろーね」「あ 美味しい」「美味しいものを時々食べること」「好きな本を読むこと」「仕事で小さく『よしっ』って思えること」「夜中にポテチ一気すること」「それらを自分の力で手に入れること」

 

時々仕事がつらくなると「は~~~全部放り出して大富豪の嫁になりたいな~~~」と思うことはある。でもそれは「宝くじ当たって仕事辞めてえな~」と同じで、本当に仕事を放りだしたいわけじゃなくて、一瞬だけ弱音を吐いてみたいとかそういうことなんだと思うんですよね。それは女性だけじゃなくて男性にもあることだと思う。

結局、やりたいことをやれているんだから、仕事は頑張りたいし、その仕事を頑張るのはできれば「自分」でありたい……というのが(特にコンテンツ業界で働く)女の本心じゃないだろうか。それを捨てて「女性は家に入るかパートで働いてくれればいいよ」と言われても、そこまでして選びたくはない、と感じる。

(だからそういう女性が求めるべきはハイスぺ男性じゃなくて、プライドを折り合えて一緒に歩いて行ける男性だと思うんですけど、そしてそれは「妥協」とかじゃないんですけど、その辺は川崎貴子さんやアルテイシアさんの本で詳しいのでこのエントリでは詳しく書きません)

本当に『ずっと独身でいるつもり?』は染みまくる……おすすめです。

 

『タラレバ娘』の女たち、特に倫子だって、「自分の力」で幸せになる力のある女だと思うんだけどな~。

もちろん(4巻がああいう展開になったので)これからどんどん倫子が目を覚ましていくんだろうけど、できれば説教コンテンツ性とこの辺の本心が共存する展開になっていきますように。