アオヤギさんたら読まずに食べた

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2日目 カイロに到着 夢の中で過ごす

ao8l22.hatenablog.com

 

アブダビ空港でのトランジットで5時間くらい待機。ひとりなのでちょっと心細いが、みんながあまりにも大胆に寝ているので私もうつらうつら……。しかし寒い!! 寒さで覚醒する。姉から「アブダビトランジットがかなり寒いので羽織物を持ってきたほうがいい」と言われたのでワークマンのあったかい羽織物を着てきたが、それでも寒い! 寒くて目が覚め、空港内でぐるぐるして体温を上げ、人が多いところは比較的室温が高くなっているので人の多さを求め…というのを繰り返し、カイロ行きの飛行機を待った。

待っている間の時間つぶしは、旅っぽいのを読んでテンションを上げていこう…ということで「だから死ぬ気で旅に出た」。危険地帯を含む世界各地をめぐっていた片岡恭子さんのエピソードを小沢カオルさんがコミックエッセイに近い雰囲気で漫画化しているもの。日本で鬱病になり、南米へと旅へ。文字通り死にそうな目にあいながらその都度肉体的にも精神的にも生き返っていく。切ないのはペルーのエピソード。南米の日本人旅行客は「健全タイプ」「不健全タイプ」「心を病んでるタイプ」に分けられるといい、最後のタイプであるマチュピチュへの旅行客・ゆかりさんと片岡さんは短い時間を一緒に過ごす。そしてゆかりさんは帰国し…という数ページのお話なのだが、かなしみがある。

 

 

もう一個、ヤマザキマリの「世界の果てでも漫画描き エジプト・シリア編」。ヤマザキマリさんの結婚のエピソードと、エジプト・シリアでの旅行記がコミカルに描かれている(やっぱヤマザキマリは漫画がうめ〜な!)。なお当時でもシリアは内戦が始まっていたが、このあと情勢悪化により渡航できなくなった(現在もレベル4)ため、今となっては貴重すぎる旅行記になっているところに価値がある。エジプトは予習的に楽しみました。しかし結婚式エピソード(というか夫の母エピ)が強烈過ぎて結婚生活の継続が心配になったが、全然続いていた。よかった。

 

 

カイロ行き飛行機は朝5時台のエジプト航空。ゲート周辺には、イスラム教の白くて長い服(カンドゥーラ?ディスターシャ?)を着た男性たちがけっこういる。
アブダビ→カイロまでは約4時間。エコノミークラスの座席は、成田からの飛行機よりは足が伸ばせて快適(その反面、映画などのプログラムは少ない)。途中、軽食(これは何ご飯になるんだ?朝???夜???)が配られる。エジプシャンフードっぽい、スパイシーに焼いた肉がメインのやつで、これまで食べた中では一番口にあった。たぶんラマダンなのもあって、イスラム教徒っぽい人たちはほとんど軽食をもらってなかった。



飛行機の中ではほとんどスヤァしたが、「茉莉花官吏伝」の13巻を読む。皇帝と女官の恋愛をベースに置きつつ、シリーズ全部を通してもっとも大きなテーマとして貫かれているのが「茉莉花という主人公が出世することで、女性の目指すべき姿と見られるようになり、女性の社会進出を進める」というフェミニズム要素で少女小説だ〜!!となる好きなシリーズ。主人公の茉莉花はいつも他国に潜入したり政治的活動をよくしているのだが、今回の舞台は国内の「花祭り」でやや政治的ピンチはないものの、「年下の女性とどうコミュニケーションをとるか」という女性管理職的課題に立ち向かっていて「茉莉花はえらいな…」となった。皇帝・珀陽との恋愛エピソードも13巻は多め。

 

機上の朝焼け

飛行機の上から見るエジプト。茶色い!砂漠地帯だ!

カイロに朝7時半に到着。入国審査の前に銀行でビザを買い(25ドルを現金で用意しておくと話が早い、カードも使えるらしいけどたまに使えないらしいので…)、入国審査へ。一言も会話をかわさないままハンコを押されてほっこり。

 

ビザを25ドルで買う。シール状になっていてパスポートにペタリした



荷物を預け入れてしまったので降ろされるのを待つ。カイロ空港にはフリーWifiがあるはずだが、認証に携帯番号が必要で、これがなぜか何度入れても認証が通らない。それもあって待っている間に、現地のSIMカードを探す。Vodafoneでカードを買おうと思ったが、「この窓口は今はしまっててあと数十分後に開くよ〜」的なことを言われ、エジプトの事業者のOrangeを買う。15MBくらいで280EGP(いまEGPは急落していて1EGP=4.5円くらい。なので1300円くらいか)。これでスマホを使えるようになったので、迎えに来てくれた姉に連絡できた。

 

カイロ空港は噂通り出た瞬間「タクシー?」の激しい声掛け。ドキドキしつつ姉を待つ。無事に再開、姉がアラビア語でタクシー運転手と会話しながら運賃交渉をしていき「お姉ちゃんかっこいい…」とうっとりする。
姉と甥(姉の息子)が住んでいるのはマーディーというエジプトの中でも外国人が多いエリア。カイロ空港からはタクシーで30-40分くらい。タクシーの客引きは最初500EGPで言ってきたが、姉が400EGPで〜と話をまとめて乗り込んだ。とはいえ姉いわく「正直日本と比べると安いからこれでいいじゃんと思うけど、最初に交渉しないと舐められて最終的に500EGP以上請求させられる。交渉で下げて、最後はチップ込で500EGPくらい払ってもいい気持ちでいくとトラブルになりにくいよ」ということなので、心しておく。

 

マーディーの姉の家に到着。野良犬と野良猫がちょいちょいいる。狂犬病が怖いので極力近づかないようにしたい…と思いつつ、犬のでかさと猫の細さに驚く。日本の猫は野良でもふっくらしていますね。
姉の家に到着し、最初にやったのは締め切りを迎える原稿をメールで送ること(…)。そのあと、本当は母と合流して夕飯を食べようと話していたのだが、母の体調があんまりよくないということで見送りに。姉と一緒に近所のスーパー(METROという外資系スーパー)に買い出しにいく。ラマダンなのでラマダン用の装飾やラマダンデザインの食品とかがあってかわいい。

エジプトの料理はトマト×スパイス×動物性タンパク質

日本で言うクックドゥー的な、一緒に炒めるだけでエジプシャンの味に!っていうのもあるんだそう

スパイスの品揃えがすごい

赤い布がラマダンの飾り。かわいい

ボトル上部の柄がラマダンデザイン。これはめっちゃ甘かったので水で薄めて飲んだ



スーパーから帰ってきて、姉が作ってくれたパスタをもぐもぐしているうちに、どんどん眠気が襲ってくる。到着で溢れていたアドレナリンが切れたと見える。
14時から翌朝5時まで断続的に爆睡する(夜、姉が「ケータリングでエジプシャンフード頼もうか?」と聞いてくれ、つまむ…と言ったものの、寝きっていて食べられなかった)。夜、エジプトには珍しく大雨雷なのも眠気に拍車をかけた。ここで雨が降ったら滞在期間中はきっと雨振らないね、と姉が言う。雷の中、そうだねムニャムニャ…と返事をする。

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