アオヤギさんたら読まずに食べた

暮らし、エンタメ、金、自己啓発、ときどき旅

「むこうぶち」3巻全話レビュー 巫藍子がよい

3巻は麻雀漫画としてはピンとこないことが多いのですが、カイの麻雀の妖精さん感が出ていてよいですね。

 

 

17話 流れ

【打ってる人】バカラ/巫、カイ、おじさん2人

【一言で言うと】巫、カイに惹かれる

【あらすじ】巫とカイを引き合わせるため、巫が働くカジノにカイを連れていく安永。バカラに参加してきた黒衣の男がカイであると巫は気づき、「あなたがカイね? やっと会えたわ」と語りかける。後日、マンション麻雀に訪れた巫はカイと同卓。「卓上の流れ」を感じる巫はカイのアガリを殺すための鳴きを入れる。「私を無視することは許しません」と告げ、吊り上げビンタを提案する巫。カイはそれに応え、人鬼vs人鬼の戦いが幕を開ける。

【感想】巫が非常に美しく描かれているので、麻雀としては流れを食い合うみたいな話しかしてないのですが満足度が高いです。

18話 歪み

【打ってる人】巫、カイ、おじさん2人

【一言で言うと】巫、カイに無視されておこ

【あらすじ】お互いの流れを食い合うバトルに。巫はカイしか見ずに麻雀を打っていたが、カイは残り2人の他家と巫を同列に扱い、他家の動きを利用しながら巫を空回りさせる。リーチの一発で巫から出た当たり牌をスルーし、自力でツモるカイに巫は衝撃を受ける。

【感想】後ろ見している安永が「カイは他家も利用している…!」とモノローグで実況しているのですが、麻雀は4人でやるものだからな……

19話 巫藍子

【打ってる人】巫、カイ、おじさん2人

【一言で言うと】巫、カイに完全にオチる

【あらすじ】巫の切る当たり牌を全て見逃すカイ。巫はカイに無視されたと感じ、よりカイにとらわれていく。ツモってきた牌をカイの当たりだと半ばわかって切り出す巫。「ロン」の声が上がることに、喜びを感じてしまうのだった。そんな姿を見て安永は「今のお前はもう男に惚れたことに気付いていないだけの…ただの美しい女(エモノ)だ…!」と述懐する。

【感想】「キラークイーン」巫藍子が、カイにほれ込んだただの巫藍子になってしまうというエピソード。むこうぶちの世界ではこういう強くて美しい女性キャラは少ないのでこうなってしまうのはちょっと残念ではあるのだが、しかしカイになすすべなく敗北する巫がかわいく美しく描かれているので好きになっちゃうな。

20話 まがいもの・1

【打ってる人】織田、佐藤、競技プロのおじさん2人(競技麻雀の決勝戦

【一言で言うと】安永、競技麻雀勝戦八百長を見抜き激おこ

【あらすじ】競技麻雀大会の準決勝で敗退する安永は、決勝卓に残った2人・織田と佐藤が打ち合わせしている現場を目撃してしまう。そして決勝当日、織田に有利なように打つ佐藤を見て、安永は八百長を確信する。織田は金持ちのボンボンで、佐藤は織田から金を受け取っていたのだった。安永は織田と佐藤を高レートマンション麻雀に誘う。「麻雀をバカにしたやつはいつかツケを払わなくちゃよ」――安永はカイによって、八百長をした2人に麻雀の恐怖を教え込むことにする。

21話 まがいもの・2

【打ってる人】安永、カイ、織田、佐藤

【一言で言うと】八百長した2人、高レート麻雀の恐ろしさを思い知る

【あらすじ】バレバレのローズ(イカサマ)を使う2人。イカサマが卓のメンバーに気付かれていることを、佐藤はすぐに悟るが、織田は気づけない。ラスを引いた佐藤は負け分を払うため、八百長の証拠である織田から渡された小切手を置き、逃げ帰る。織田はまだ気づいておらず、小切手を取り返すために打ち続けることを選ぶ。織田はそのあと、払える分だけ負け続けるのだった……。

22話 老兵

【打ってる人】金吾、カイ、おじさん2人

【一言で言うと】勝負師、バクチの神様の代行者であるカイのお告げによって賭け事を引退する

【あらすじ】競馬一本で娘を二人大学まで出したほどの凄腕の勝負師である金吾。しかし最近、勝負に燃えることがなくなり、万馬券を当てても換金せずに出てきてしまうほどだ。雀荘に出向くと、そこにはカイがいた。金吾の麻雀は直感に従った打ち筋で、当初は軽妙にアガっていく、カイは「牌の真の姿」について問いかける。金吾は「真の姿」を感じることができ、競馬も“馬が光って見える”ことで勝っていたのだ。しかし真の姿を感じるようになってから、シビれるような真剣勝負ができなくなっていった……。カイとの真剣勝負を通じ、金吾は「シビれる勝負」を再体験する。しかし最後の最後、直感ではなくセオリーで待ち牌を選んだことで、勝負は決する。もうこれきり「真の姿」を感じることができなくなったと悟った金吾は万馬券を負け分としてカイに支払い、賭け事の世界から足を洗うと決めて去っていく。

【感想】これはかなり好きなエピソードです。カイは麻雀の妖精さんみたいなところがあるわけですが、バクチの神からなんらかのギフトをもらってそうな人は破滅させないように思えており、金吾さんもある種のギフトを授けられ、いま失おうとしていたところを、なんか回収しにきた感じがするんですよね。そして「真の姿」に関しては、明らかにカイも見えているわけですが、金吾さんのように勝負に飽いてはいない(飽きの感情とかもないのかな)という対比もキレイです。

23話 荒野・1

【打ってる人】江崎、おじさん3人

【一言で言うと】悪徳不動産業者の江崎、初登場

【あらすじ】不動産営業の江崎は、一見物腰が穏やかだが、自分の成功のためには手段を選ばない。クズ土地を高値で売り付けたり、気づかれないように中抜きしていたり…麻雀にもそのえげつなさは表れており、相手のふところ事情を調査して払えない者をわざと負かせ、高利の金融屋を紹介するなども行っていた。さらに高レートの卓を求める江崎はカイに出会う。

【感想】江崎はこのあとすごい変貌を遂げるので、今読むと「江崎! お前こんなんやったな!!!」となります。

24話 荒野・2

【打ってる人】江崎、カイ、おじさん2人

【一言で言うと】江崎とカイ、本当はテンパイしてるのにノーテン宣言祭り

【あらすじ】高レート卓の面子を見て、カイが実力者であると察する江崎。実力を測るため、わざと当たり牌を見逃したり、ノーテン宣言をして手の内を見せなかったりと、カイの癖を見破ろうとする。1局でラスを引いた江崎はカイのクセを見切ったと判断し、日を改めて今度はカモにしようと考える。カイの不敵な笑みを江崎は目にしていないのだった……。

【感想】この「テンパイしてたけどノーテン宣言する」みたいなのけっこうむこうぶちに頻出です。私はちょっともったいないと思ってしまうが、むこうぶちでは頻出です(見習ってはダメ)