第20回文学フリマ東京で買った本
5月4日に開催された第20回文学フリマ東京に参加してきました。サークル側の参加だったんですがその辺の振り返りはまた次回。やっぱりああいうイベントに行けばいっぱい本を買っちゃうもので、買った本の簡単な感想&紹介などをしていきます。
「ネガ詩」(新刊)
「ナナオクプリーズ作品集」「404NovelNotFound」(既刊)
星井七億さんのサークル。「ネガ詩」は即興で詩を書いてくれるんですけど、「最近ナンパ師にボコボコにされているのでそういう気持ちになる詩をお願いします」と頼んだら「通り魔に路上でなぐられたけれどボジョレーヌーボーのビンだからちょっとめでたい」という素敵な詩をいただきました。
やったね!!
女子大生に人気でした。
「仕事文脈VOL.3 特集 女と仕事」(既刊)
商業誌のような、というか完全に商業誌のテイストで作られている本。巻頭の雨宮まみさんの「インターネットと有名税」の文章がキリキリ来る。
・風狂殺人倶楽部
「風狂通信VOL.1」
「現代中国台湾ミステリBeginnersガイドブック」
「白樺香澄贋作展」(全部新刊)
文学フリマってミステリとか翻訳系の同人誌がほかの同人誌即売会と比べると驚くほど集まってる印象があるんですが、まさにここの本はそのいいとこどりという感じ。中国・台湾ミステリという「ほとんどのミステリ好き層が知らない情報」を積極的に伝えるの、すごく素晴らしい「同人でできること」という感じがあります。
あと「クライムノベル全作レビュー」は労作感があってとてもよかったです。この企画、1人でやるものではないよね…。
・海外文学好き好きボーイズ
「《エクス・リブリス》全レビュー」(新刊)
「第一回日本翻訳大賞受賞作決定記念最終候補作全レビュー」(新刊/ペーパー)
もはやサークル名だけで「ハリーに5億点じゃ!」みたいな気持ちになるのですが、クオリティの高いレビュー(あと編集もきれい)がそろっていてさすがだな~と思いました。翻訳大賞のほうはぜひウェブ公開とかしていただきたいところ。
・エディション・プヒプヒ
「さまよえる幽霊船上の夜会」(新刊)
いや~~毎回装丁がおしゃれです。こういう本を作りたいです。
・近藤正高
「Re:Re:Re: Vol.12 特集 宰相たちの七〇年―文化としての戦後日本政治」
近藤さんの新刊。いつものようにアイドル評論だと思いこんでいて新刊買ったら「あれ…おじさんだ!」とちょっとびっくりしました。
ネット公開されている近藤さんの記事を再録したものですが、こうしてみると近藤さんの文章は紙で読んだ方がよりしっくりくる文体なんだなあと。
「フェニックス Vol.134」(新刊)
特集は本格ミステリ大賞全作レビュー&酒にまつわる作品レビュー。映画カクテルバー「八月の鯨」でカクテルを頼んでそれをまとめている記事が面白かった。発想が面白いだけに、できればミステリ&SF映画縛りにしてほしかったな~とちょっと思ったけど、でも十分面白いです。
「稀人舎通信改1 腐女子という生き方Revenge」(既刊)
出戻り腐女子の座談会が面白いです。あとタイバニがいかに昭和腐女子につきささったかという座談会も。cakesの腐女子座談会もそうですが、面白い腐女子が集まって話せば面白いコンテンツになるんだよな~!と思います。
・ばるとろ
「microcosmos vol.2」(新刊)
「学校の七不思議」をテーマにした小説。インドカーストホラー(?)小説「サリーちゃんの不浄の右手」が面白かったです。
「Merca β01」(新刊)
九井諒子について語る座談会・ハイスコアガールについて語る座談会・新人アニメ制作進行インタビューの三企画。どの企画も面白かった。同人誌の値段設定は文フリの中でもかなり強気なほうだな~とちょっと思いました。
「アントニイ・バークリー書評集 Vol.2」(新刊)
「アントニイ・バークリー書評集」(既刊)
評論を翻訳している、日本語としては全初出の書評集。こういう活動は大学院生の身分からすると「素晴らしい~~~」とくらくらしてしまう。ガンガン評価されてほしい。
以上、また11月が楽しみです。