5月4日の文学フリマで、月村了衛原作(原案)&シリーズ構成&脚本を担当したアニメ『ノワール』のファンブックを頒布します。→通販はじめました!
有限王朝マガジン vol.1 特集『ノワール』
A5版/92ページ/700円
スペース:オ-45
特集◎『ノワール』
・全話レビュー
名台詞から見る『ノワール』 千倉歩
本当に印象深い台詞が多いアニメだと思う。容赦無くも情緒深い、他の月村作品とも通じる台詞回しが、暗黒を生きる者たちの魂の瞬きを映し出す。そんな数々の台詞から特に記憶に残ったり、シリーズ的に重要と思われたものを選んで、色々と書いてみた。
・評論
冒険小説ファンが見た『ノワール』 えいちえむえす・ゆりしーず
「冒険小説」というミステリーのサブジャンルがかつて隆盛していた時期があった。一九八〇年代~九〇年前後のことで、九〇年代半ばにはサブジャンルの流行は別のものに(特に若いファンの間では)うつろって行ったように記憶している。これは放映開始が二〇〇一年だった『ノワール』という作品にとってちょっぴり不幸なタイミングだったかもしれない。
・二次創作
冥界下り 檸檬
「いい絵ですね」
いきなり声をかけられ、わたしは驚きのあまり筆を落としそうになった。
「あなたが絵を描いているところ、初めて見ました。好きなのですか?」
Flamberge 犬養周
──これから一月以内に私を殺すこと。
その私が与える最後の試練をクロエに告げてから二十日余り。私の五感は未だその兆候を捉えていない。ただ目の疼きだけが、その時の訪れを私へと告げた。あれからも続いた訓練の中、時折垣間見せていた逡巡を振り切れたか。あの子は優しすぎた。あるいはもう一人のあの子との再会の切望が堪えられなくなったか。それとも──。
脚が膝まで擦り切れても ナガト
彼女の同居人──ミレイユが用事で遠方に出かけてから五日になる。「あんたと万聖節の時間を過ごせないのは残念な気がするけど」と言っていたが、霧香にとってそれ自体はあまり問題ではなかった。私たちの時間は普通のカレンダーとは違う仕方で動いている。わかりきったことだ。ただ、こんな雨続きの日を一人で留守番するのが気に入らないだけだった。
小特集◎『機忍兵零牙』×『ノワール』
・評論
彼女たちの名前 『ノワール』夕叢霧香と『機忍兵零牙』真名 青柳美帆子
では、『未亡旅団』よりも『ノワール』に近い光景を描いているのは、どのような作品なのか?
そう、『機忍兵零牙』である。
『ノワール』と『機忍兵零牙』は、「『私』とはいったい何なのか」という問いかけが作品を通して描かれ、最終的に登場人物がその答えを得るという構成になっている。
・二次創作
機忍兵零牙 黒闇殺手・序 犬養周
「──なるほど。驚いたわね」
「そうですね。確かにこれは、さしずめ光牙者(かれら)が言うところの──」
「本当の世界、ね」
◎近刊紹介『槐 エンジュ』
文フリでぜひお会いしましょう~!