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時代が違ったら国をひとつ滅ぼしていたアイドル・西野七瀬について

乃木坂46のアイドル・西野七瀬が恐ろしい。

 

 

乃木坂のPVはデザイン誌で特集が組まれるくらい映像にこだわっているものなのだが、西野七瀬はよく「儚い」「孤独」といったイメージを強調しながら描かれている。

 

初センターでいきなり死ぬ西野七瀬

なんてったって初めてセンターを任されたシングル曲「気づいたら片想い」いきなり死んでいる。PVは歌詞とは全く関係ない、曲調の圧倒的エモーショナルさのみを忠実に再現したような筋書き。

事故に遭って死にかけた七瀬が、たんぽぽの綿毛が散るまでの時間までは生きられるように。迫りくる命の期限に追われるようにして、七瀬は乃木坂46のコンサート(ライブ)の練習に没頭する。しかし運命は残酷で……といったストーリーだ。

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お前の命は美しいし力があるよと確信させる西野七瀬

「夏のFree&Easy」はそうでもないんだけど、同じくセンター曲の「命は美しい」はまたもエモい曲調にストレートなメッセージ。美しい人たちが「命は美しい」と言い切ると半端ない説得力がある。このPVはあまりストーリー仕立てじゃなくて完全に乃木坂46のアイドルたちの美しさで押し切る心意気を感じる。

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思い出の中の最高の女のような西野七瀬

完全に彼女たちをイメージした曲「羽根の記憶」のPVもすごい。「10年後の自分」を想像する乃木坂のメンバーたち。そこで西野七瀬は海辺に座り、きらきらとした陽光の中で微笑む。なんだこの「人気絶頂でいきなり芸能界から姿を消したアイドルのお蔵入りになったオフショット」みたいな空気感は……。

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最新PVでもまた儚げに描かれる西野七瀬

10月5日に公開された今、話したい誰かがいるのPVもめちゃくちゃ儚い。耳が聞こえず孤独に過ごしていた少女・西野七瀬は、七瀬を理解し一緒に楽しく過ごしてくれる友達を手に入れた。しかし親の転勤で離ればなれに…彼女たちは再会を誓って別れる、という内容。

なぜ別れさせるのだ……西野七瀬の孤独を癒してはならないという法律でもあるのか!!!

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山戸結希が見た西野七瀬

ファンの間でも物議をかもしたソロ曲「ごめんね、ずっと」は「西野七瀬をクリエイターが見たときどんな気持ちになるか」をわかりやすく描いている。

監督は「5つ数えれば君の夢」(←最高の映画)の山戸結希。PVはなんと画面を二分割していて、左側には「乃木坂46に入っていなかった西野七瀬」が、右側には「乃木坂46西野七瀬」が描き出される、完全に悪趣味なもの。

右側の西野七瀬乃木坂46として過ごす彼女はこう語る。

乃木坂46に入ってからは、前の自分とは全然違う。あの頃の西野七瀬は、もう終わったんだなと思います。前の西野七瀬は、いなくなりました」

左側の西野七瀬、高校の時母のすすめで目指していた看護師姿の彼女はこう囁く。

「昔から目立つのが苦手で、…でもこうやって陰ながら人の役に立てることは嬉しいです。誰かのために生きてみたくて」

山戸監督はツイッターでPVの意図をこのように語っている。

「七瀬さんを見つめたとき、迫って来るふたつの大きな魅力があると思います。彼女の持っている、か弱いまでの繊細さと、アイドルという表舞台で見せる強い意志、その二面性を、最大限表現できる装置を選択したいと思いました」

いささか「ごめんね、ずっと」のPVはあからさますぎる。ただ言いたいことはわかる。西野七瀬はこのうえなく繊細で、同時にこのうえなく強いのだ。

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コンサートで見た西野七瀬

今年の夏、神宮球場で行われた乃木坂46のコンサートに行ってきた。誘ってくれた人は西野七瀬のファンだった。

「いつ好きになったんですか?」

「乃木どこ(※番組)で、七瀬が太った鳩の良さを泣きながら力説していて。あれを見た瞬間、俺はこの子を応援していかなきゃ、と思ったんですよ」

「すげえな……」

ふつうの人間は鳩の良さを語るために泣けない。これだけで西野七瀬のすごさは十二分にわかる。たかが鳩のエピソードで、すさまじい数の人間に「この子を守らなければ」と思わせた。

でも儚いだけではない。ふだんは「守ってあげたい」女の子である西野七瀬は、ダンスをしているときは別人のような表情になる。どこか自信がなさげな表情が、自信に満ち溢れたしっかりした顔になるのだ。

なんだこのギャップ……。

そして西野七瀬のすごさは、近くにやってきたときに頭を殴られたように理解した。乃木坂46のメンバーはみんなかわいい。私は生駒ちゃんが好きだ。生駒ちゃんのかわいさは、ちょっとエッジのきいた世界観のPVでこそいちばん輝くと思っている(※異論はあると思います)。西野七瀬が一番かわいいのは、生で見ることだ。

びびるほどかわいかった。びびるほど儚さがあった。七瀬は乃木坂46のメンバーの中でもひときわ「ガチ恋」が多いと聞いたけれど、心の底から納得した。

こんなかわいい女の子と握手したら好きになってしまうわ。

 

結論:西野七瀬Fate/GOだったらアサシン

西野七瀬はかわいく、美しく、守ってあげたいけれど、実はひとりで生きていけそうな女性である。だからこそ人々は西野七瀬に落ちていく。

西野七瀬が古代中国に生きていたら、完全に楊貴妃のように傾城の美女と呼ばれていただろう。Fate/Grand Orderに参加したらアサシン(ちなみにまいやんはセイバー、生駒ちゃんがランサーかな……)。

西野七瀬の前に国中の財宝を積み上げて、その結果国民が反乱を起こして処刑されたりしたい。たぶん西野七瀬は財宝に興味がなく、「欲しいものはこんなんじゃなかったのになー」と退屈そうな表情をしてくれるに違いない……。

乃木坂のPVで七瀬が儚く描かれるかぎり、私は「頼む西野七瀬、国を滅ぼしてくれ!」と思うのをやめられないだろう。好きです。